• "ビジョンセッション"(/)
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  1. 富山県議会 2022-02-01
    令和4年2月定例会 代表質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  午前10時00分開議 ◯議長(五十嵐 務君)おはようございます。  ただいまから本日の会議を開きます。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━          報           告 2 ◯議長(五十嵐 務君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。  去る2月25日、知事から提案されました議案第31号、議案第32号、議案第34号及び議案第35号について、地方公務員法第5条の規定に基づき、議会から人事委員会の意見を求めておきましたところ、2月25日付をもって、お手元にお配りしたとおり意見の申出がありましたので、御報告いたします。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3 ◯議長(五十嵐 務君)これより本日の日程に入ります。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表) 4 ◯議長(五十嵐 務君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第3号から議案第62号まで、報告第3号及び報告第4号を議題といたします。  これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、発言を許します。  奥野詠子君。    〔24番奥野詠子君登壇〕 5 ◯24番(奥野詠子君)おはようございます。  自由民主党富山県議会議員会を代表して、本定例会に提出された諸案件並びに当面する諸問題について質問します。  質問に先立ち、一言申し上げます。
     コロナ対応の最前線におられる各自治体や医療機関、介護施設、保健所などのエッセンシャルワーカーの皆さんには、長きにわたるコロナとの闘いに御協力いただき、心から感謝申し上げます。  この1年を振り返ると、まさに新型コロナを乗り越えるための1年でした。県民の皆さんが一丸となってコロナ対策に取り組み、一度は何とか抑え込むことができたと思ったものの、昨年末からはオミクロン株の出現による第6波の到来となりました。  我が会派では、各議員が現場での調査活動を通じて多くの県民や団体の声を聞き、その都度ニーズ把握に努めてきました。また、それらの声を基に、国や県当局に対しコロナ対策等に関する要望も積極的に行ってきました。  このコロナとの闘いは、いまだ収束の見通しが立ちませんが、今後も新たな感染拡大の防止に努めながら、県民の暮らしと健康を守り、経済活動を支える対策を強力に進めることで、まずは日常生活を一日も早く取り戻すことが喫緊の課題です。  また、行政のデジタル化をはじめ、テレワークや教育のICT化等、DXを推進し、来るべき地方分散型の社会の中で、より快適で暮らしやすく、持続的に成長できる県づくりに取り組むことが重要です。  さらに、毎年各地で発生している災害への備えとして、県土の強靱化を進めるとともに、ハード、ソフト両面での危機管理体制の充実に努めなくてはなりません。  私たち自由民主党富山県議会議員会は、こうした諸課題に適切に対応するため、ウイズコロナ、アフターコロナ、ビヨンドコロナ時代を見据え、現場にしっかりと立脚し、県民の皆様の信頼と期待に応えられるよう全力を尽くす決意を申し上げ、以下、質問に入ります。  今回は、コロナ禍に鑑み、質問を前半と後半に分け、前半は3つのテーマについて質問します。  初めに、新型コロナウイルス感染症対策について2問質問いたします。  まず、ワクチン接種について伺います。  昨年12月に開始された3回目接種は、2回目接種との間隔が短縮された影響や接種予約がファイザー製に偏っていることなどから、進捗が遅れていると指摘されています。  そんな中、知事は、ファイザーとモデルナの交互接種促進のため、自ら1、2回目とは異なるモデルナ製のワクチンを公開接種しましたが、県内の3回目接種の進捗について、知事に伺います。  また、今般の感染拡大では、学校や保育所等でも多数クラスターが発生しており、子供を介する家庭内感染も見られます。  国は、5歳から11歳の子供へのワクチン接種について、今月にも無料接種を開始する方針を示していますが、本県での子供へのワクチン接種の取扱いについては、十分に情報が周知されているとは言い難い状況です。  希望者が早期に接種を受けられるよう、接種を行う小児科医が不足している市町村への支援や、小児の集団接種等を含めた体制整備について、また安全性に不安を覚える保護者の方に対する分かりやすく丁寧な情報発信について、県として早急に方針を示すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  次に、感染症対策と社会経済活動との両立についてです。  今般の感染第6波で新たに確認されたオミクロン株は、感染力が強い一方、重症化率は低くなっています。この特性を踏まえると、ゼロコロナを目指すことは現実的でなく、ここからは感染防止と社会経済活動のバランスをどのように取るべきか見極めていく必要があります。  知事は、昨年の第5波において、感染者の原則入院の方針を転換され、医師の判断により宿泊療養施設や自宅での療養も可能としました。現時点では、幸い多くの方が軽症や無症状となっていることから医療機関の逼迫は免れていますが、社会経済活動を維持するマインドは落ち込んだままであり、飲食店を中心に昨年を上回るダメージを受けている業種、業態の悲痛な声も聞かれます。  知事には先日、長引くコロナ禍でダメージを受けた事業者を対象に、ビヨンドコロナ補助金の前倒しに加え、国の事業復活支援金制度への県単独の上乗せを決断していただきました。これは、不況にあえぐ事業者に向けた知事からの大きなメッセージになったと思いますが、実態を鑑みると、今回の一時的な対処では決して十分とは言えません。  今後は、3回目接種の進捗や重症者数の推移等を慎重に見極め、医療への負担をコントロールしつつ、感染対策と社会経済活動を両立させることも視野に入れる必要があると考えます。知事の所見を伺います。  次に、行財政運営について6問質問いたします。  まず、経済の見通しと歳入確保についてです。  国は令和4年度の経済見通しについて、経済対策を迅速かつ着実に実施すること等により、実質GDP成長率は3.2%程度、名目GDP成長率は3.6%程度と見込んでいます。  税収については、令和4年度当初予算案では、対前年度比13.6%増となる65兆2,350億円を見込んでおり、これは、過去最高額となった令和2年度の60兆8,216億円を大幅に上回っています。また、地方税も、令和4年度の地方財政対策では、対前年度比7.7%増と高い伸び率を見込んでいます。  そこで、令和4年度の本県経済をどう見通し、歳入予算に落とし込んだのか、また、その安定確保にどう取り組んでいくのか、経営管理部長に伺います。  次に、令和4年度当初予算案の編成方針等について伺います。  新型コロナの感染拡大は、飲食業や観光業、その関連産業へ大きなダメージを与えた一方、テレワークや兼業、副業等の新たな働き方の普及、デジタル化の進展、地方移住への関心など、地方創生に向けてプラスとなり得る一面があったことも事実です。  そこで、ウイズコロナ、アフターコロナ時代を見据えた新しい富山の創造に向けて、当初予算案並びに2月補正予算案の編成に当たり、どのような基本姿勢で臨み、工夫をされたのか、その特徴と併せて知事の所見を伺います。  次に、組織機構の見直しについて伺います。  知事は、成長戦略の策定やデジタル化の推進など、重要課題への取組を部局横断的に行うため、昨年4月に総合政策局を知事政策局へ改組、また危機管理局を新設するなど組織の見直しを行いました。この1年間を振り返り、所期の目的をどの程度達成できたと考えているのか。  また、新年度には、地方創生局の交通部門を独立させ、新たに交通政策局を新設するとしています。  そのほか、我が会派では、子供関連施策を包括的に担う部局横断的な庁内組織の整備を求めてきました。このたび厚生部内に、国のこども家庭庁の受皿となるこども家庭室も新設されると伺っています。  そこで、新年度における組織機構の見直しの目的と期待する効果について、この1年の評価と併せて知事の所見を伺います。  次に、公益通報と情報管理について伺います。  国民生活の安全・安心を損なう企業不祥事に関し、事業者内部から通報する行為は、正当なものとして公益通報者保護法により保護されており、通報に関する秘密、通報者の氏名等の個人情報を守ることは行政機関にとって当然のことです。  しかしながら、本年1月に県くすり政策課に届いた公益通報メールの内容を、誤って県内の医薬品業界関係者240人にメール送信する事案が発生しました。通報内容と通報者の氏名という秘密とすべき情報が外部に流出したことは、公益通報制度への信頼を揺るがす重大な事態です。  さらに、その1週間後には、県国際課で、個人情報等が記載された資料を国際交流関係250団体に誤ってメール送信、さらに3日後、県感染症対策課では、新型コロナ感染者の報道資料に、本来空欄にすべき施設名を記載し配布した事案も発生しました。  くすり政策課の事案が報道された直後にもかかわらず、個人情報の流出事案が立て続けに発生したことは大変遺憾です。公益通報に関する情報の秘密保持はもとより、県の保有する個人情報等の管理徹底が必要と考えますが、県民の信頼回復に向けてどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  次に、公共施設の整備等について2点伺います。  まず、PPP、PFI手法の導入についてです。  県は、富山県武道館及び高岡テクノドーム別館の整備について、PFIの導入可能性調査を実施し、先般、富山県武道館はPFI-BTO方式を、高岡テクノドーム別館はPFI-O方式を整備手法として選択したい意向を発表しました。  一方、我が会派では、昨年8月からおよそ半年間にわたり、全国におけるPPP、PFIの導入事例、特に基本設計後にPFI事業を導入した例や問題が発生したPFI事業について調査研究を行い、先月、PPP、PFI手法の導入について知事に提言しました。  提言では、仮にPFI手法を導入した場合、民間事業者の創意工夫が発揮されるよう、基本設計に対する改善提案を受け入れる方法を採用すること、またその変更可能範囲を事業者選定に入る前に公表すること。そのほか、地元企業の参画や県産品の使用を促進する措置を講ずること、地元企業や金融機関がPFI事業に参入できるよう長期的視点で育成支援すること。そして、発注者である県がPFI事業に関するノウハウを蓄積できるよう、組織人事体制を含め対応を検討すること等を指摘しました。  そこで、富山県武道館及び高岡テクノドーム別館の整備について、我が会派の提言を受けどのように取り組むこととしたのか、知事の所見を伺います。  次は、公共施設の適正管理に向けた取組について伺います。  公共施設については、国、県、市町村が、それぞれ国民、県民、住民の福祉向上を目的として設置、管理運営していますが、その分野は教育、文化、スポーツ、福祉、医療など多岐にわたります。また、同種の施設は、公共だけでなく民間で整備している例もあります。  一方で、国、地方を問わず厳しい財政状況が続く中、人口減少やニーズの多様化、デジタル化の進展など、社会経済情勢は急激に変化しており、県と国、市町村、民間の役割分担を整理し、それぞれの施設設置の在り方を検討していく必要があります。  また、公共施設の保有総量の適正化や計画的な更新に当たっては、県だけでなく、国や市町村といった関係機関とも検討の場を設けて、共通理解の下に進めていかなくてはなりません。老朽化が進む公共施設の適正管理に向けて今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  次に、とやまの未来創生を深化させる取組について4問質問します。  まず、公共交通の在り方について2点伺います。  人口減少社会の進展に加え、新型コロナの影響により、公共交通の利用者数は大幅に減少し、交通事業者の経営は大変厳しくなっています。JR西日本は、輸送密度2,000人を下回る路線の見直しに言及しており、県内では高山本線が該当します。また、あいの風とやま鉄道は、経営安定基金から予定した繰入れを行っても赤字を解消できない状況であり、2023年春からの運賃値上げが想定されています。さらに、路線バスや公営バスについても、運行本数の減や路線の廃止が見受けられ、公共交通の空白地域が広がるのではないかと懸念をしています。  地域交通ネットワークは県民生活の根幹を支えるものであり、小手先の対策で乗り切ろうとあがいた挙げ句、取り返しのつかない事態になることは避けなければなりません。富山県地域交通ビジョンを見直し地域公共交通計画を策定するなど、地域公共交通の在り方を根本から見直し、持続可能な形を示すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  次に、富山きときと空港の在り方について伺います。  県では、富山きときと空港運営あり方検討会議を設置し、新型コロナ収束後の富山空港の目指すべき姿やその実現に向けた施策を検討されています。  昨年11月の会議では、空港の利用者数が新型コロナ拡大以前の水準に回復するのは、14年後の2036年になるという厳しい試算が示されました。この試算も既存路線の維持や国際線利用者数の大幅増加を前提としたものであり、さらなる下振れも想定されます。また、昨日開催された会議では、今後の望ましい運営方針等についても議論が交わされ、今議会に上程された新年度予算案にも、富山空港民間活力導入可能性調査の予算が計上されています。  しかしながら、知事が以前、民間委託は魔法のつえではないと発言されたとおり、民間に任せれば全てうまくいくというわけではなく、総合体育センターやテクノホール、富山県総合運動公園など、周辺施設と連携した地域活性化策や土地利活用も含め、富山空港のグランドデザインを明確に示した上で、それに沿った施策を展開していくことが重要です。  富山空港の将来像をどう描いているのか、その実現に向けてどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  次に、富山県版デジタル田園都市構想について伺います。  知事は、県議会の場をはじめ様々な機会を捉えて、成長戦略会議の委員でもある安宅和人氏が提唱する「風の谷」に大変共感しているとおっしゃっています。風の谷の考え方は、都市集中型のまちづくりだけでなく、知恵を絞りテクノロジーを駆使することで、人と自然が共に豊かに生きていける未来をつくれるのではないかというものです。  コロナ禍により私たちの生活が見直される中、国においても、人間中心のデジタル社会を実現し、経済、生活、幸福の好循環を目指すデジタル田園都市国家構想が提唱されています。  中山間地域の振興を図ることも踏まえ、この機会に風の谷構想から着想を得た富山県版デジタル田園都市構想を掲げ、計画の立案やモデル地区の選定など具体的な取組を進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。  次に、とやまゼロカーボンの実現に向けた取組について伺います。  2020年3月、県は、温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指す、とやまゼロカーボン推進宣言を出しました。この実現に向けては、産業構造の変革や新技術の開発、二酸化炭素吸収源の拡大など、産学官金が連携した幅広い取組のほか、これまで進めてきた太陽光や木質バイオマス、小水力といった再生可能エネルギーの取組、またレジ袋無料配布の廃止や食品ロスの削減など、県民生活に身近な分野においても取組を強化する必要があります。  また、県では、富山県再生可能エネルギービジョンや新とやま温暖化ストップ計画を改定することにしていますが、これまで策定してきた様々な計画を1つのビジョンの下に見直し、目標や方向性を統一することも重要です。  そこで、本県のこれまでの脱炭素社会づくりに向けた取組の成果をどのように認識しているのか、またゼロカーボンの実現に向けて今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  以上で前半の質問を終わります。 6 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 7 ◯知事(新田八朗君)自由民主党富山県議会議員会を代表しての奥野詠子議員の御質問にお答えします。  まず、ワクチン接種についての御質問をいただきました。  ワクチンの3回目の接種につきましては、2月27日、一昨日になりますが、この時点で県内では21万4,000人の方が接種を完了しておられます。人口比で言いますと、全国平均を僅かですが上回っている、そんなところが足元の状況です。  また、先月、岸田文雄総理が表明された1日100万回接種を目指すということを本県の人口に当てはめてみますと、1日約8,400回に相当するかと思います。これを既に超える日もあるなど、着実に接種が進んできていると認識をしております。各市町村の御努力、また医療機関の御努力のおかげだと考えております。  5歳から11歳を対象とした小児接種について、県では、医師会あるいは公的病院等に改めて協力依頼を行いますとともに、市町村の参考となるよう準備状況を取りまとめて情報共有を図ってきています。県内各市町村において、本日以降、順次始まる予定であります。また、ワクチン専門の相談窓口、コールセンターですが、ここにおいて小児接種の相談も受け付けておりまして、不安を感じる方に丁寧に対応してまいります。  小児接種は、重症化リスクの高い基礎疾患を有する子供には特に接種が推奨されており、そういった子供たちを優先しておられる自治体もあります。一方で、予防接種法上の努力義務が適用されていないので、大人の接種とは異なる点もあります。子供と保護者に接種への理解を深めていただくことが特に大切だと考えます。  本県では国に対して、全国知事会などを通じまして、小児の保護者等への分かりやすく丁寧な情報発信をこれまでも要請してきました。県としても丁寧な情報発信に努め、希望する方への接種が円滑に進むように市町村と連携をして取り組んでまいります。  次に、感染症対策と社会経済活動との両立についての御質問にお答えします。  今般のオミクロン株による第6波は、これまでの波と比較して感染拡大の速度が非常に速い一方、接種済みのワクチンの効果もあり、入院あるいは重症化の割合は低くなっています。世界的にもオミクロン株の感染が拡大する一方で、亡くなる方の数は激増しておらず、感染者数の減少している欧米では、ワクチン接種を前提に共存の道が模索され始めていると理解しています。  私はかねてから、感染症対策に伴う一律の行動制限や時短要請などは、県民の皆様、事業者の皆様に大きな影響を及ぼすものであることから、国に対し、オミクロン株の特性を踏まえた実効的な対策を検討するように申し上げてきました。県内では、関係の皆様の感染拡大防止への御尽力により、現在のところ医療提供体制の逼迫は見られておらず、強い行動制限は行っていないところでございます。  感染症対策と社会経済活動の両立の実現は重要でございますが、ビジネスや観光などでの人の流れを踏まえると、国の基本方針の下、国と地方が一丸となって取組を進める必要があると考えます。  県としては、これまでに蓄積してきましたエビデンスに基づく実効性ある感染対策を講じながら、医療体制の構築や堅持、そしてワクチン接種を進め、患者の重症化予防に万全を期すことによって社会経済活動を継続していくことができるよう、引き続き国と連携をして取り組んでまいりたいと思います。  次に、予算編成についての御質問にお答えします。  当初予算案及び2月補正予算案は、新型コロナとの闘いが続く中で、県民の命と暮らしを守る対策を最優先として取り組むとともに、経済社会構造の変革を成長に向けた転機と捉え、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」の実現に向け、国の経済対策も最大限に活用し、積極的に取り組む過去最大規模の予算としました。  新型コロナ対策としては、感染防止対策や医療提供体制の充実に係る経費を通年分計上することに加え、中小企業ビヨンドコロナ補助金の創設など、中小企業の事業継続、雇用維持、経済活動の回復への取組を支援することとしています。  また、先般策定した富山県成長戦略、また私の公約であります富山八策と八十八の具体策、これらの実現に向けて、スタートアップ企業の創出、企業立地助成制度の拡充をはじめとする産業・経済の活性化、女性活躍の推進や小児医療の体制強化などの子育て環境の充実、デジタル化の推進、園芸産地支援などの農林水産業の振興、令和の公共インフラ・ニューディール政策など、ビヨンドコロナの新時代の発展につなげていくための施策にも重点的に取り組む予算にしております。  歳入や財源につきましては、新型コロナ対策のための交付金や一般財源総額をしっかり確保するとともに、ふるさと納税を活用したプロジェクト型の事業を取り入れたほか、県民の方の意見も取り入れながら、ゼロベースで既存事業の見直し、再構築に努めるなど、財政の健全性確保にも留意をしたところです。  今後も、新型コロナ対策に万全を期するとともに、新時代のわくわくする富山県、新しい富山県の実現に向けて努力を続けてまいります。  次に、組織の見直しについての御質問にお答えします。  令和3年度は、知事政策局、地方創生局、危機管理局の改組・新設などの組織の見直しを行い、県民目線、スピード重視、現場主義を徹底して、8つの重点政策、八十八の具体策の実現に向けて誠心誠意取り組んでまいりました。  この間、新たな成長戦略の策定、「ワンチームとやま」連携推進本部会議による市町村との連携協力の強化、行政、産業、地域社会のデジタルトランスフォーメーションの推進などの取組を着実に進めるとともに、新型コロナ対策に加えて、大雪あるいは鳥インフルエンザ等の自然災害や危機管理事案に対する体制の充実強化も図ることができました。このようなことから、組織改編の所期の目的に合った組織運営は、ここまで11か月間、できていると考えております。  また、新年度に向けて、八十八の具体策や幸せ人口1,000万の実現に向けた成長戦略を推進するため、さらなる組織改編に取り組むこととしています。具体的には、知事政策局に成長戦略の推進役となるウエルビーイング推進課を新設するとともに、持続可能な公共交通の構築や子供関連施策の一体的・機動的実施などの喫緊の社会課題に対応するため、交通政策局やこども家庭室を改組、設置することとしています。  こうして再編した新しい県庁が期待以上の大きな成果を上げることができるよう、県議会をはじめ、市町村、関係団体や民間事業者の皆さんとの連携協力の下、ウエルビーイングの向上を目指して様々な施策の推進に努めてまいります。  次に、本県が保有する個人情報等の管理についての御質問にお答えをします。  公益通報に関する情報や個人情報が漏えいする事案が相次いで発生したことについて、通報者並びに関係の皆様に御迷惑をおかけしたことに、改めて心よりおわびを申し上げます。こうした事案が続いたことは県民の信頼を著しく損なうもので、あってはならないことであり、富山県のトップとして責任を痛感しております。  県ではこうした事態を受けまして、当面の再発防止策として、当分の間、外部からの公益通報窓口を広報課に一本化するとともに、職員及び所属長等への全庁的な研修を新たに実施することとしています。あわせて、公益通報情報の取扱いに関する通知の発出を指示し、改めて全職員に注意喚起を行っています。  また、職員のコンプライアンスの一層の向上を図るため、地方自治法に基づき実施している内部統制の対象事務に、情報管理に関する事務を加えるとともに、違反事例等に学ぶ研修会の開催や事務処理ミスを未然に防止するための技術的な方策を検討するなど、公益通報保護制度を含めた情報管理の徹底強化に取り組んでまいります。  さらに、令和4年度からは、公益通報窓口を、県庁内の広報課に加えて弁護士などに依頼し、県庁外にも設置し、信頼性を高めていくことを検討しています。  今後とも、県民の県庁及び県職員に対する信頼回復に向けて、全庁挙げて取り組んでまいります。  次は、PFI手法による大型施設の整備についての御質問にお答えします。  今年度の民間活力導入可能性調査の結果を踏まえ、富山県武道館は実施設計からのPFI-BTO方式高岡テクノドーム別館は管理運営からのPFI-O方式を民活導入方式として選定いたしました。  今後の取組方針としては、先般、自由民主党富山県議会議員会から御提案をいただいたことも踏まえまして、武道館については、機能向上やライフサイクルコストの削減につながるような基本設計に対するVE提案を受け付け、民間ノウハウの活用や創意工夫を発揮しやすい環境づくりを進めてまいります。また、高岡テクノドーム別館につきましては、運営について民間の創意工夫の余地が高いと見込まれることから、県内外に広く応募を働きかけ、優れた運営事業者を選定できるように努めてまいります。
     さらに、業者選定時の評価項目について、両施設ともに地元企業の参画、あるいは県産品の使用促進に関する提案に加点評価することも検討してまいります。  地元企業などの育成支援も大切なことですが、これについては、今後、とやま地域プラットフォームに参画することにしており、県の施設整備への民間活力導入についてその場で意見交換を行うほか、実施方針や入札説明書等の公表時には、民間事業者との対話の機会を十分に確保していきたいと考えます。  さらに、県の組織人事体制について、新年度に設置する行政経営室において、PPP、PFI手法の活用やノウハウの蓄積に取り組むこととしています。  県としては、県議会の御意見も踏まえ、地元企業の参画や県産品の使用促進に十分に配慮し、着実に整備を進めてまいります。  次に、公共施設の適正管理についての御質問にお答えをします。  県有施設の建築後経過年数の状況は、延べ床面積ベースで、築年数50年以上経過したものが21.4%、築年数30年以上経過したもの──これは先ほどの50年以上ももちろん含みます──が67.3%となっております。こうした老朽化が進む中、厳しい財政状況に加え、急速に進む人口減少や人口構成の変動による公共施設への県民ニーズの変化などを踏まえますと、今後とも県民が必要とする行政サービスを効率的、効果的に提供するため、公共施設の適正管理、ファシリティーマネジメントが重要であると考えます。  このため県では、公共施設等総合管理方針に基づいて、国や市町村、民間等との適切な役割分担の下、施設の長寿命化や集約化などを基本として施設の在り方の検討を進めるとともに、PPPやPFIによる公共施設等の転用、集約、除却等を行い、中長期的には県土の均衡ある発展にも考慮しながら、公共施設の保有総量の適正化と最適な配置に取り組むこととしています。  具体的には、令和4年度、新たに県有施設の利用の現状や将来人口の減少を踏まえた利用予測の調査を行い、老朽化した既存施設や今後新設する公共施設の必要性や規模、配置、整備手法など、施設の在り方についての検討に着手してまいります。さらに、今後施設を更新整備する際には、国や市町村、民間など関係機関との連携を密にして情報共有するとともに、施設の集約化や複合化の観点から検討、調整を進め、関係機関の共通理解の下で、保有総量の適正化や計画的な更新に取り組んでまいりたいと考えます。  次に、地域公共交通計画についての御質問にお答えをします。  県民生活を支える公共交通サービスの確保のためには、人口減少や少子高齢化、コロナ禍での暮らし方、働き方の変化、あるいはDXの進展など、社会の変化に的確に対応していくことが必要であります。  このため本県では、今後、地域公共交通計画を法定計画として策定することとしており、計画策定を通じて今後の県内公共交通の在り方を示したいと考えています。  そのため、まずは県内公共交通の実態を需要と供給の両面から調査分析をし、課題を正確に把握する必要があると考えており、所要経費を令和4年度当初予算案に計上しております。課題の抽出や具体的な施策など、計画の内容は今後新たに立ち上げる法定協議会において議論していただくことになりますが、人口減少等に伴う移動需要の減少が見込まれる中、例えばデジタル技術を活用した複数の交通機関の乗り継ぎ利便性の向上や、目的地となる観光地等と連携した外出、移動のきっかけづくりなど、公共交通を利用した移動需要をつくり出すための方策などが重要なテーマの一つになると考えています。こうしたことについて調査分析をしっかりと行い、データに基づいて議論を行いたいと考えています。  また、交通政策に関する意思決定を迅速化するため、新年度から交通政策局を新設することにしておりますが、地域交通を取り巻く社会の変化に対応し、持続可能な公共交通を確保していくため、交通事業者や市町村をはじめ、様々な関係者の皆さんと連携を図りながら、計画の策定に向けた検討を進めてまいります。  次に、富山きときと空港についての御質問にお答えします。  昨日ちょうど開催されました、富山きときと空港運営あり方検討会議の第3回会議において、空港の目指すべき将来像として、多様なニーズや需要に柔軟に対応できる空港、地域の資源を生かした魅力がある空港、広域におけるゲートウエー機能を備えた空港となることが取りまとめられました。今後、将来像の実現に向けて、航空ネットワークの維持拡充、空港施設機能の拡充、県内産業や観光資源、近隣県等との連携、空港利用促進に向けた機運の醸成などに取り組むこととしています。  新年度では、羽田・札幌便のさらなる利用促進、新規路線開拓に向けた国際航空商談会への参加、空港ターミナルビル内におけるビジネスブースの設置、飛騨高山あるいは上越妙高地域での利用促進プロモーション、富山市と連携したストリートピアノの設置などを行うとともに、空港経営の効率化と魅力向上に向けた最適な民間活力導入手法についても調査検討することとしています。  奥野議員御指摘の空港周辺施設との連携ですが、県総合体育センター、テクノホールなどのイベント、また県総合運動公園でのカターレ富山のホームゲーム等との連携を図り、空港周辺の魅力向上や新たな利用者の掘り起こしにつなげてまいりたいと考えます。  ちょうど昨日もカターレの左伴社長とお話をする機会がありまして、J3は比較的、九州、中国、四国エリアにチームがあるということで、今、富山空港発着の便は羽田乗換えで、これらの地域への乗り継ぎが先般のダイヤ改正でとても便利になっております。そんなこともあり、カターレとも大いに連携を図っていきたいと考えます。  県としましては、幸せ人口1,000万の実現を目指す上でも、空港あるいは空港の周辺地域が活性化することはとても大切な要素と考えており、各種施策に取り組んでまいります。  次に、デジタル田園都市国家構想についての御質問にお答えします。  デジタル田園都市国家構想が目指すデジタル化による地域課題の解決や新産業の創出、住民のウエルビーイングの向上は、本県においても重要な課題です。このため、成長戦略のアクションプランに各種施策を盛り込むとともに、DX・働き方改革推進基本方針に基づいて、国の交付金なども活用しデジタル化を推進してまいります。  具体的には、企業等が保有する革新的なデジタル技術を活用した地域課題解決の実証実験を実施するデジタルソリューションの推進、ニュービジネスの創出などを図るため官民が連携して取り組むデータ連携基盤の構築、住民の利便性向上を図るため、行政情報をワンストップまたプッシュ型で届ける情報発信などに取り組む。加えて、人口減少、少子高齢化が進展する中山間地域の活性化において、デジタルの活用が特に効果的と考えられることから、ドローンを活用した物流の可能性の検討や実証などに積極的に取り組んでまいります。  また、デジタル化の推進に当たっては、意欲ある市町村を県としても後押しするとともに、デジタルの強みを最大限活用し、便利で豊かな暮らしを実現できるよう、市町村と県がワンチームで、県全体として最適化を図ってまいりたいと考えます。  なお、言及いただきました風の谷ですが、成長戦略会議の特別委員にも御就任いただいております安宅和人氏が提唱しておられる構想であります。本県が目指す一つの将来像として、私も大いに共感をしております。当面は、先行して取り組んでおられる自治体もあるので、この事例等について勉強してまいりたいと考えます。  私からは前半の最後になりますが、ゼロカーボンに向けた取組についての御質問にお答えします。  本県のこれまでの取組により、小水力発電所の数、あるいは太陽光発電の設備容量など、現行の再生可能エネルギービジョンの目標はおおむね達成できているとともに、温室効果ガスの排出量についても、基準年となる2013年度から順調に減少するなど、一定の成果は上がっているものと認識しています。一方で、2050年カーボンニュートラルを実現するためには、より総合的また戦略的な対応も必要と考えています。  こうした状況を踏まえ、県では来年度、温室効果ガス排出量の削減目標を定めた新とやま温暖化ストップ計画の改定に併せ、富山県再生可能エネルギービジョン、さらに県の率先行動を定めた新県庁エコプラン、これらを統合して、富山県カーボンニュートラル戦略として総合的・一体的に策定することとし、関係予算を計上しているところです。戦略の策定に当たっては、地域経済の負担にも十分留意しながら、持続的に成長しつつカーボンニュートラル実現をする中で、これを成長戦略にも取り込んでいく、このようなことに腐心しながら、また時間軸をしっかりと踏まえて実効性の伴ったものとするべく取り組んでまいります。  さらに、市町村とのワンチームにおけるゼロカーボンの取組に加え、新年度においては新たに、シンポジウムの開催やウェブサイトの開設による機運の醸成、グリーン成長戦略分野に関する新製品・新技術の研究開発支援、既存住宅の断熱化に関する県内事業者向けの実務研修などに取り組むこととしております。  県民、事業者、本県、市町村が一丸となって、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を加速していきたいと考えます。 8 ◯議長(五十嵐 務君)岡本経営管理部長。    〔経営管理部長岡本達也君登壇〕 9 ◯経営管理部長(岡本達也君)私のほうから、行財政運営のうち、県税収入など歳入予算についての御質問にお答えをいたします。  令和4年度の歳入予算につきましては、国の地方財政計画なども参考に、本県の実情も踏まえて見込んでいるところでございます。  歳入予算のうち県税収入は、ベースとなる令和3年度の税収見込みについては、当初、新型コロナ禍の影響を受けて企業業績が非常に落ち込むと想定していたところでございます。実際には、一部厳しい業種があるものの、製造業を中心に海外経済の回復や巣籠もり需要などにより比較的業績が堅調であったことから、令和3年度税収は想定していたほど落ち込まず、おおむね前年度決算額程度を確保できる見込みとなっております。  令和4年度も、地方財政計画や県内企業へのアンケート結果などから、基本的には製造業を中心に堅調な状況が続くと見込んでおり、実質税収ベースで前年度当初比165億円増の1,488億円を計上しているところでございます。これは過去最大の規模となるものの、地方消費税の税率引上げ分を除きますと、新型コロナ禍前の令和元年度決算額には届いていないことから、景気がよくなって税収が増えているという状況にはないものでございます。  さらに、今後、新型コロナ感染症の感染拡大や部品等の供給不足、資源価格の高騰などに加えまして、今般のウクライナ情勢による県内経済への影響などに留意が必要と考えております。  このため、先般策定いたしました成長戦略を着実に進めるとともに、起業や事業承継も含めました県内産業の振興や企業誘致、人口減少対策などの税源の涵養に県自ら努力するほか、先ほど知事からも御答弁申し上げたところでございますが、新型コロナ対策のための交付金や地方一般財源総額の確保を全国知事会とも連携し国に働きかけるなど、税財源の安定確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 10 ◯議長(五十嵐 務君)ここで、換気のため暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。  午前10時49分休憩       ───────────────────  午前11時00分開議 11 ◯議長(五十嵐 務君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  奥野詠子君。    〔24番奥野詠子君登壇〕 12 ◯24番(奥野詠子君)後半は、3つのテーマについて質問します。  初めに、地域経済の活性化について6問質問します。  まず、事業の継続と雇用維持、経済活動の回復に向けた取組について伺います。  今回の予算編成に当たり、我が会派では、現在の新型コロナ感染拡大により県内経済に大きな影響が出ていることを踏まえ、売上げが減少した中小企業等に対して、事業の継続や立て直しを緊急的かつ積極的に支援するよう強く申し入れてきました。その結果、先月18日、県は独自の対応として、5本柱から成る中小企業者等に対する「緊急支援パッケージ」実施を発表されました。  その一部、中小企業ビヨンドコロナ補助金の10億円については、本日この後で先議される予定ですが、報道では、特に大きな影響を受けている飲食店等に対する独自支援の一環として、ビヨンドコロナ補助金の前倒しを検討するとも伝えられていました。当然、影響が出ているのは飲食関連だけではありませんが、影響が大きな業種、業態から優先的に受け付ける等、対処の仕方を工夫してほしいと思っています。  今回のビヨンドコロナ補助金は、先議分と当初分に分けて予算提案されていますが、その意味するところは何か、また、事業の継続と雇用維持、経済活動の回復に向け、今後どのような基本姿勢で取り組むのか、知事の所見を伺います。  次に、成長戦略について伺います。  成長戦略については、これまでも県議会において様々な質疑がなされてきました。それらの議論を受け、我が会派では、先月、成長戦略策定に当たり留意すべき事項を知事に提言しました。  提言では、条例に基づく手続を経て策定された総合計画等、各種計画と整合性を図ること、ウエルビーイングを県政のビジョンとして最上位に位置づけるとともに、県民がより共感できるよう言語化・ビジュアル化すること、また、調査研究をした裏づけを基に本県独自の強みと弱みを明確化し、施策の強化を図るとともに、ウエルビーイングの状態について、施策の到達度の評価が可能となるよう指標化することなどを指摘しています。  我が会派からの提言を成長戦略とアクションプラン策定にどう反映したのか、また、令和4年度は総合計画の中間年であるため、社会経済情勢の変化や知事の公約、成長戦略の策定も踏まえ、指標や目標数値の見直しを行うべきと考えますが、併せて知事の所見を伺います。  次に、DX・働き方改革の推進について伺います。  県は、行政及び産業、地域社会におけるDXと働き方改革を推進するため、昨年6月、知事を本部長とする富山県DX・働き方改革推進本部を立ち上げ、11月には基本方針とアクションプランを策定されました。  基本方針には、県民目線、スピード感、現場主義といった3つの視点と、おおむね3年後の姿を示した5つのビジョン、そのほか10のリーディングプロジェクトが掲げられており、新たな時代に向けた社会変革を後押しするものと期待しています。  ウイズ、アフター、ビヨンドコロナを見据えて、持続的な成長基盤を構築し、経済の好循環を実現するためどのように取り組んでいくのか、知事政策局長に伺います。  次に、観光振興について伺います。  現在パブリックコメントを実施している新しい観光振興戦略プランは、長引くコロナ禍にあって、地元の魅力を再発見する楽しみや、日帰り、宿泊を問わず近隣県への旅が定着しつつあることから、成長戦略の内容も反映しつつ、マイクロツーリズムや、そのほか、地元の生活を体験し日常の幸せを共有することをイメージした暮らすような旅など、新しいスタイルに注目したものとなっています。  しかしながら、重要なのは、魅力的なプランを策定した後、それをどのように実現していくかです。そこで、新たな観光振興戦略プランで描くビジョンを実現するため、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  次に、農業とグリーン成長戦略について伺います。  国のグリーン成長戦略において、食料、農林水産業は、14ある重要分野の一つです。農林水産省では、持続可能な食料システムを構築するため、みどりの食料システム戦略を策定し、有機農業の取組面積を現在の40倍以上となる100万ヘクタールに広げる目標を掲げています。また、化学肥料、農薬を使わない環境に優しい有機農業やその技術開発に取り組む生産者に対し、資金繰りや税制面で支援する制度を創設することで、2050年までに農林水産分野の二酸化炭素排出量ゼロを目指しています。  県内においても、有機農業へのシフトを加速するため、農業者の意識改革や消費者の理解を求める取組が不可欠です。加えて、農業者が減少する一方、有機農業に関心を持つ若手農業者も増えてきており、多くの農業者が有機農業に取り組める技術を早急に確立し、農地の適切な活用にも寄与していかなくてはならないと考えます。  そこで、新技術の開発、導入をはじめ、生産、消費の両面から、有機農業の普及推進に今後どのように取り組んでいくのか、また有機農業をどの程度拡大させる目標なのか、農林水産部長に伺います。  次に、農林水産物の輸出について伺います。  県では、農林水産物等輸出促進協議会を立ち上げ、輸出促進方針の見直しに取り組んでいます。農林水産省も農林水産物や食品の輸出拡大に力を入れており、輸出額を2025年に2兆円、2030年には5兆円にする目標を掲げています。また、昨年、2021年には、輸出額が初めて1兆円を超え、国は目標達成に向けて、農林水産物・食品輸出促進法の改正案を今国会に提出予定と聞いています。  中国やアメリカでは外食需要が回復しているとの見方もあり、この機を逃すことなく、県は輸出に関心を示す県内企業とタイアップし、まずは県内農産物をとやまブランドとしてブラッシュアップさせ、海外市場への攻勢を整える必要があります。また、中小規模の農家や食品加工会社は単独で輸出の実務を担うことが難しいため、地域商社の存在は、これまで輸出に二の足を踏んでいた生産者の所得向上や担い手確保にもつながると期待しています。  農林水産業の維持発展には、生産者に利益が還元される大胆な輸出戦略が必要と考えますが、大胆な輸出戦略への意気込みについて、また地域商社の育成に向けた現在の取組状況、さらに年間の輸出目標額をどう見直そうとしているのか、協議会会長である横田副知事に伺います。  次に、安全・安心な暮らしの実現について2問質問します。  まず、富山児童相談所の多機能化についてです。  我が会派では、これまでの県議会での議論や予算要望などの機会を通じて、子供と家庭の支援に必要な様々な機能の複合拠点化に向けた検討を求めてきました。  これに対し、県では、富山県児童相談所機能強化検討委員会を立ち上げ、人員体制の強化及びこれに伴う施設の機能強化等について具体的な検討を進めてこられました。また、知事は、包括的な子供支援として、小児医療提供体制の在り方や国のこども家庭庁創設に向けた動向も踏まえた上で検討する必要がある旨の発言をしていらっしゃいます。  新年度は、児童相談所と連携が必要とされている全ての機関、施設機能との連携の在り方も見直し、今後の本県の子供支援のグランドデザインを描いて整備を進めていくべきと考えます。  富山児童相談所はもとより、ほかの強化すべき施設機能や規模、また市町村をはじめとする関係機関との連携の在り方、さらには必要と試算される専門人材の育成、確保を含め、供用開始までの工程などを盛り込んだ基本計画の策定を求めますが、知事の所見を伺います。  次に、警察施設の整備について伺います。  交通安全施設をはじめ、警察署や交番、駐在所など、警察では多くの施設を管理しています。その中でも、信号機や交通管制システムなど交通安全施設については、耐用年数が経過し、老朽化が進む施設設備が多い状態と聞いています。  特に、信号制御機については耐用年数が19年とされていますが、県内の信号制御機のおよそ3分の1が耐用年数を超えており、故障発生率が急上昇する26年超えのものも113基あるとされています。まずは、故障発生率が急上昇する26年超えの信号制御機を早急に更新しなくてはなりません。  また、県内の交番、駐在所においても、建設から50年以上経過しているものも複数見受けられます。  交通安全施設は県民の安全・安心に直結しており、重要なインフラ整備の一つであるため、計画を立て、速やかに整備、更新を進める必要があると考えますが、警察本部長の所見を伺います。  次に、明日を拓く人づくりについて5問質問します。  まず、成年年齢の引下げへの対応についてです。  今年4月に、若者の社会参加を促すことを目的に、成年年齢が18歳に引き下げられます。それに伴い、18歳、19歳の若者が大人としての責任を担うとともに、権利、自由を付与され、保護者の同意がなくとも自らの判断で高額なローンやクレジットカードの契約等も可能となります。  成年年齢の引下げにより、若者の自己決定権、社会参画の拡大という大きなメリットをもたらす一方、消費者被害の拡大につながるのではないかとの懸念も指摘されています。若者が不当な契約により被害を受けることのないよう、消費者被害防止や若者の自立支援という観点から、消費者教育の一層の充実が求められます。  学校現場における教育のみならず、地域社会での教育環境を整備し、若者をはじめとする県民への注意喚起や事業者への指導が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、生活環境文化部長に伺います。  次に、産業人材の育成について、まずは農業の担い手育成について伺います。  2020年農林業センサスによると、本県の個人農業経営体数は1万1,331経営体であり、5年前と比べ5,447経営体の減少、減少率は全国2位で、担い手の確保は最重要課題です。実際に農業をやっている方からは、農業はもうからないが、財産である農地を守る必要があるため、採算度外視で続けているという声も聞かれます。  平成29年に内閣府が行った子供・若者の意識に関する調査によると、仕事を選択する際に重要と考える観点について、上位3つは安定していて長く続けられること、収入が多いこと、自分のやりたいことができることとなっており、稲作主体の本県農業を見ると、米価が下落し生産目標を減少させている状況では、農業を自分の職業の選択肢として考える若者は僅かと言えます。新規農業者を確保するためには、これまで進めてきた生産調整の実施に伴う支援だけではなく、本県農業の将来性、夢や希望を持って取り組むことができる産業であることを示す必要があります。  そこで、農業従事者の高齢化や農業経営体が大幅に減少している現状を踏まえ、担い手の育成確保に今後どのように取り組んでいくのか、農林水産部長に伺います。  次に、建設業の人材育成について伺います。  県内建設業界では深刻な担い手不足の状況にあり、富山労働局の公表資料によると、昨年12月の建設関係の有効求人倍率は8.07倍で、人手不足と言われる介護関係の4.40倍と比較してもその高さは顕著です。この状況が続けば、公共工事の発注をはじめ、除雪や災害時の対応にも支障が出ると危惧しています。これまでも県では、担い手確保に向けた施策に取り組んできていますが、まだ結果には結びついていません。  そこで、社会資本整備やその維持更新、災害対応や除雪など、地域の安全・安心を守る県内建設業者の人材確保策を強力に推し進める必要があると考えます。どのように取り組んでいくのか土木部長に伺います。  次に、教員確保について伺います。  文部科学省が初めて実施した教員不足に関する全国実態調査によると、昨年5月1日時点の小、中、高、特別支援学校における教員不足数は、全国で2,065人、本県では17人でした。また、教員採用選考試験の倍率は全国的に低下しており、本県でも令和4年度採用試験の倍率が2.1倍と過去最低となりました。  できるだけ多くの方に試験を受けてもらい、意欲のある人材の確保に努めなければなりません。この課題については、当然、県の対応だけでなく、市町村や地域社会とも連携の上、本県ならではの真の人間力を育む教育に県下一丸となって取り組み、一層推進していく必要があります。  また、コロナ対応をはじめ、DXの推進や一人一人に寄り添った教育支援等、教育行政を取り巻く社会環境が多様化、複雑化する中、教育現場の働き方改革を進め、教員が目の前の教育課題に集中できる環境を整えることも重要です。  そこで、意欲ある人材の県外流出を防ぎ、また県外から獲得するためには、まずは本県が目指す教育の方向性を明確にし、本県で教員として働くことのやりがいや魅力を県内外の教員志望者に広く発信すべきと考えますが、どう取り組んでいくのか教育長に伺います。  最後に、私学振興について伺います。
     知事が尊敬する政治家として名前を挙げていらっしゃる大平正芳元首相も、国づくりの基礎はまず人づくりにあると強調されたように、教育の重要性は改めて言うまでもありません。知事の公約においても、将来の富山を担う人材への思い切った投資、その中の一つとして私学振興が挙げられています。  社会情勢が大きく変化し、価値観や児童生徒のニーズが多様化していることに伴い、県内の私立高校では、建学の精神にのっとり、様々な特色ある教育を打ち出しています。その一方で、少子化による生徒数の減少により経営基盤の脆弱化が懸念される中、学校施設設備の老朽化やデジタル化等への対応も早急に進めなくてはならない状況にあります。  生徒数や志願者数の減少を見据えて公私比率を抜本的に見直し、本県の魅力ある高等学校教育のために公私の協調を一層推進する必要があります。  また、知事の公約や成長戦略、こどもまんなかという考え方を踏まえると、高校生の授業料についても、公立学校と私立学校の負担の格差解消に向けて積極的な取組を求めますが、公私比率を抜本的に見直すことと併せて、蔵堀副知事の所見を伺います。  最後に、ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為として国際法違反であることは明白です。  主権と領土、そして祖国と家族を守ろうと懸命に行動するウクライナの国民と共にあると岸田総理が表明し、国際社会の中で強調した制裁措置に加え、緊急人道支援など必要な対応を迅速に行う姿勢を評価し、一日も早くウクライナに平穏な日々が訪れることを心から願っています。  以上をもちまして、自由民主党議員会の代表質問を終わります。 13 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 14 ◯知事(新田八朗君)まず、ビヨンドコロナ補助金と経済回復等への基本姿勢についての御質問にお答えをいたします。  度重なる新型コロナの感染拡大により、県内経済に大きな影響が出ています。事業の継続、雇用の維持、そして経済活動の回復に向けて、スピード感を持って取り組むことが大切だと基本的に認識をしております。  県では、企業のDXあるいは新商品開発、販路開拓など、企業の事業の再建、成長発展を図る意欲的な取組をいち早く支援するために、中小企業ビヨンドコロナ補助金を創設することとしています。できるだけ早期に事業着手していただけるように、予算の一部を前倒しで2月補正予算案に計上させていただいております。お認めいただければ、議決後に着手される中小企業の取組をすぐに助成対象としまして、今月下旬にも申請受付を開始できるよう準備を進めてまいります。  さらに、自由民主党などからの申入れも踏まえまして、緊急支援パッケージとして、ビヨンドコロナ補助金の前倒し実施に加えて、令和3年度予備費などを活用して、新型コロナの大きな影響を受けている中小企業などの事業の継続・立て直しを支援する、事業復活緊急応援金を創設いたしました。これは、本日、申請要項を公表しまして、3月4日から受付を開始します。今月中旬から支給を開始したいと思い、できる限りスピード感を持って対応させていただきます。  また、経営改善に取り組まれる中小企業に対して、保証料をゼロにするビヨンドコロナ応援資金の融資限度額を拡充いたします。さらに、資金繰り支援制度の周知、相談に対応する金融特別相談窓口を設置します。商工団体との連携による国の事業復活支援金の申請の支援にも取り組んでおります。これらの取組で、中小企業、小規模事業者の皆さんに寄り添う対策、施策をしっかりと打っていきたいと考えています。  また、新たなGo To トラベル富山県事業によりまして、観光需要の喚起など、引き続き厳しい状況にある事業者に早く必要な支援が届くように、こちらもスピード感を持って取り組んでまいります。  次に、成長戦略についての御質問にお答えします。  成長戦略につきましては、これまでも議会を通じて議員各位と議論を深め、戦略の取りまとめの節目節目において、議員の皆さんと意見交換をさせていただきながら進めてまいりました。  先般、成長戦略の最終取りまとめに向けて、自民党富山県議会議員会からいただいた御提言についてはしっかりと受け止め、成長戦略及びアクションプランに反映しますとともに、御提言を踏まえて取組を進めていくこととしています。  例示いたしますと、人づくりを戦略の核とすべきという御提言をいただきました。これについては、次世代の価値を生む人材が富山に育ち、また県外からも引き寄せられて富山に集積すること、これを成長戦略の核に据えています。人づくりを戦略の基盤としているということも明記させていただきました。  また、ウエルビーイングの指標化とその進捗をモニタリングすることについてですが、令和4年度において、県内のウエルビーイングを図っていく指標を設定しまして、これに基づいて進捗を把握していきます。  また、より多くの県民が共感できるように、ウエルビーイングを言語化、ビジュアル化するという御提言もいただきました。これは大変大切なことだと理解をしておりまして、今月、富山県成長戦略カンファレンスを開催しますが、ここで様々に成長戦略、ウエルビーイングを表現していくことでまずスタートしたいと考えます。  また、成長戦略の分かりやすい紹介パンフレットも作成しました。成長戦略カンファレンスの様々な場において、多くの方に手に取っていただき、ウエルビーイング、また富山県成長戦略への理解を深めていっていただく努力を怠らずに続けてまいりたいと思います。今後、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」の実現を県政の目指すべきビジョンとして掲げまして、市町村とも連携し、総合計画が掲げている目標と併せて成長戦略の実現に向けて取り組んでまいります。  また、総合計画の目標数値等の見直しにつきましてですが、私の公約である富山八策、それから八十八の具体策、また成長戦略、そしてこの総合計画、これらの関係をしっかりと今整理をしておりますが、これらに伴い、影響についても整理をして見直しも含めて検討してまいります。  次に、観光プランに基づく取組についての御質問にお答えします。  新たな観光振興戦略プランにつきまして、コロナで変容した観光ニーズや成長戦略の議論、議員各位からの意見等を踏まえまして、今年度中の改定に向け作業を進めており、令和8年度までの計画のうち、優先的に取り組むべき施策を令和4年度の予算案に盛り込んでいます。  具体的には、まず新たな時代の観光に対応するため、富山とのゆかりを生かした首都圏等での観光物産展の開催など、関係人口創出に向けた裾野の拡大、マーケティングに基づく近隣県民の誘客の促進や新たなGo To トラベル県事業を活用して、県民などを対象に富山の魅力再発見を促す取組を実施します。また、データサイエンスを生かしたビジネス誘客など、デジタル技術の活用にも取り組んでまいります。  このほか、成長戦略会議での議論も踏まえ、議員にも言及いただきましたが、女性の力を生かした暮らすような旅、旅行商品サービスの造成、あるいは担い手の育成に努めます。さらに、SNSなどデジタルでの観光情報の発信強化に取り組むこととしています。  持続可能な観光地域づくりを進めるため、とやま観光塾による人材育成、黒部ルート一般開放に向けた旅行商品の準備に取り組むとともに、北陸新幹線敦賀開業を見据えた北陸3県連携のキャンペーンなど、戦略的なプロモーションにも取り組んでまいります。  コロナの影響が長期化する中で、まずは需要喚起、宿泊施設の認証制度のフォローなど、ウイズコロナへの対応に全力で取り組みますとともに、市町村や関係団体などとも連携し、富山の将来を見据え、幸せな旅と暮らしを富山県から発信し、誘客につなげることで、観光を起点とした富山県の成長につなげてまいります。  私からは最後になりますが、富山児童相談所についての御質問にお答えします。  富山児童相談所の整備については、今年度、富山児童相談所機能強化検討委員会を設置し、移転改築を含む機能強化や関係機関との連携の在り方などについて、有識者や富山児童相談所が担当する県東部の自治体の皆様から様々な御意見をいただきました。  具体的には、児童心理治療施設設置の必要性、既存の児童養護施設等への児童家庭支援センターの設置推進、市町村に対する子供家庭総合支援拠点の設置支援、児童相談所と関係機関との連携強化などです。  これらの意見を踏まえまして、まずは早急に取組が必要な児童相談所の職員や市町村職員の資質向上のための研修費用を来年度予算に計上したほか、富山、高岡の両児童相談所に、地域支援や人材育成を目的とする課を新設し、機能を強化していきます。  来年度はさらに、国におけるこども家庭庁の設置に向けた検討状況なども踏まえまして、子供や家庭に対する支援などの観点も含めて、備えるべき機能やその規模などについて、改めて総合的に検討したいと考えます。  そのために、機能強化検討委員会を発展的に改組した基本計画検討委員会を設置します。そこで、市町村や関係機関の利用者なども含めてさらに幅広く御意見を伺い、施設整備をはじめ、関係機関との連携や人材の育成などの児童相談所などの機能強化、その工程に関する基本計画を策定してまいります。  私からは以上です。 15 ◯議長(五十嵐 務君)蔵堀副知事。    〔副知事蔵堀祐一君登壇〕 16 ◯副知事(蔵堀祐一君)私からは、人づくりに関する質問のうち、高校授業料の格差解消と公私比率についての御質問にお答えをいたします。  本県の未来を担う子供たちが経済的な理由により希望する進学先を諦めることがないよう、教育の実質的な機会均等の確保に努めることは大変重要だと考えております。  このため県では、各私立高校の特色教育への支援や経常費への全国トップクラスの支援を行いますとともに、私立高校の授業料につきまして、国の就学支援金制度に上乗せする形で助成してきております。また、令和3年度からは入学時納付金への助成を拡充するなど、県単独で所得に応じた段階的な支援を実施してきているところでもございます。県としては引き続き、国に対し制度の拡充を粘り強く働きかけるなど、県立、私立の差を埋める努力をしてまいります。  また、公私比率についてでございますけれども、県内の中学校卒業者の学習機会の確保や各学校の生徒の収容に係る将来計画、それから私学の定員の確保の観点から、一定の意義のあるものと認識をいたしております。昨年秋から公私立高等学校連絡会議において協議を開始しまして、中学校卒業者の進路動向などの実態を踏まえ、このほど、私学定員の確保に配慮した見直しを公私双方で合意したところでございます。  他方、少子化に伴います生徒数の減少や進路選択の多様化によります志願者数の減少など、高校教育を取り巻く著しい環境の変化に対応していきますためには、公私比率の議論に加えまして、県立、私立ともに生徒を引きつけることのできる魅力ある教育環境の整備に向けた意見交換が必要と考えております。  今後、公私連絡会議におきまして、生徒、保護者や地域のニーズを踏まえながら公私協調の下での議論をさらに深めてまいりまして、高校教育全体の質の向上、魅力の向上につなげてまいります。  以上でございます。 17 ◯議長(五十嵐 務君)横田副知事。    〔副知事横田美香君登壇〕 18 ◯副知事(横田美香君)私からは、農林水産物等の輸出についての御質問にお答えいたします。  本県の農林水産業、食品産業の発展においては、所得向上と担い手の確保が必要であり、そのためには、国内市場が将来的に縮小する中、拡大する海外市場を捉えていく必要があると考えております。  現在、本県の農林水産物、食品の輸出額は約12億円と把握しておりますけれども、まだまだ可能性があると考えています。現在、富山県農林水産物等輸出促進協議会におきまして輸出拡大方針の策定を進めていますが、御指摘のとおり、大胆な戦略が必要と考えております。中でも、とやまブランドのブラッシュアップは重要でありまして、お酒をはじめとして、品目ごとのストーリー立てやデザインを整えていく必要があります。  また、意欲ある事業者を海外市場の卸売業者につなげたり、海外市場を知る方のアドバイスによる商品開発、そして県内外の様々な産業、あるいは輸出先国の事業者など、新しい出会いによる新しいチャレンジを促進していきたいと考えています。  小ロットの商品を輸出する商流をつくるためには、これらをまとめて輸出につなげる地域商社が必要でありまして、これまで、候補となる事業者への聞き取りや、候補事業者と生産者、物流事業者などとの勉強会を開催し、地域商社機能の立ち上げの検討を進めてきております。  また、輸出目標額につきましては、達成可能な目標ではなく、ビジョンとしての目標を掲げるべく、高い目標を、今度、3月4日に開催されます協議会に提示して御議論いただくことにしております。  さらに、県の組織についても、農林水産部に新たに市場戦略推進課を設置して体制を強化することとしています。富山県産品の輸出拡大に一層力を入れてまいります。 19 ◯議長(五十嵐 務君)三牧知事政策局長。    〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕 20 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、DX・働き方改革についての御質問にお答えさせていただきます。  先ほども新田知事からデジタル化に関する答弁がございましたけれども、DX・働き方改革につきましては、県の成長戦略の実現に向けた基盤であると考えてございます。DX・働き方改革を推進することは、まちづくり戦略や新産業戦略におけるデジタル化を活用した地域課題の解決やニュービジネス創出、そして県庁オープン化戦略におきましても、県民の利便性向上に図る取組を加速するものであると考えてございます。  議員御指摘のとおり、持続的な成長基盤を構築し、経済の好循環を実現するためには、DX・働き方改革を推進することで、企業のニュービジネスの創出に加え、従業員のウエルビーイング向上等につなげていく必要があると考えてございます。  このため県では、来年度におきましても、昨年策定いたしましたDX・働き方改革推進基本方針及びアクションプランに基づき、県内企業のDX・働き方改革に取り組むこととしております。  具体的には、県内企業のデジタル技術を活用した企業変革を推進するために、企業が直面するデジタル化の相談支援や講座の開催等に努めるとともに、ビヨンドコロナを見据えて成長発展を図る事業者のDX等の取組について引き続き支援をいたします。  また、こうしたデジタル化におきましては、そうしたデジタルの技術と事業者や県民のニーズのマッチングが非常に重要であると考えておりますので、例えばデータ利活用におけるニュービジネス創出に向けても、官民が連携してビッグデータ連携基盤の構築やその利活用に取り組みたいと考えてございます。  さらに、県内企業の働き方改革を推進するために、モデル企業を選定し、専門家が継続して支援を行うことで課題解決を行う事例を創出し、その成果を横展開していきたいと考えてございます。先日も働き方改革の事例報告会をいたしましたが、非常に多くの企業の方に参加していただいております。こうした関心の高さを追い風に、来年度しっかりと横展開を進めていければと考えてございます。  来年度も、県庁内のDX・働き方改革推進本部に加え、「ワンチームとやま」連携推進本部会議の場も活用いたしまして、ビヨンドコロナの新時代における県民のウエルビーイングの向上、県内企業のDXや働き方改革にスピード感を持って取り組んでいきたいと考えてございます。 21 ◯議長(五十嵐 務君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 22 ◯農林水産部長(堀口 正君)まず、有機農業の普及推進についての御質問にお答えします。  県ではこれまで、有機JAS認証取得への助成や、有機農業者と消費者等との交流会の開催、量販店等と連携した流通のマッチングなどに取り組んでおり、令和2年度の有機農業の取組面積は219ヘクタールと、近年微増の状況でございます。  一方、国で策定されました、みどりの食料システム戦略では、2050年に有機農業の取組面積を100万ヘクタールとする高い目標が掲げられており、取組を推進するための交付金事業が令和3年度補正予算と4年度当初予算案に盛り込まれております。  県では、国の事業を活用いたしまして、耕作放棄地の復旧による有機農産物の作付拡大や効率的な集荷・運搬方法の実証、通販サイトを活用した販路開拓、学校給食による食育の推進など、生産、流通、消費が一体となった有機農業のモデル的な地域の取組を支援し、県内への横展開を図ることとしております。  また、除草剤を使用しないということから、除草対策として、高性能の乗用除草機による省力化の実証を進めますほか、県農業研究所による化学肥料に代わる緑肥作物の導入拡大に向けた研究などの取組を加速させていきたいと考えております。  現在策定を進めております県農業・農村振興計画では、国の目標設定等を参考にいたしまして、10年後の令和13年度に、有機栽培で600ヘクタール、化学農薬・化学肥料を通常の5割以上削減した特別栽培で900ヘクタールの、合わせて1,500ヘクタールを目標とすることを検討しております。引き続き、関係機関と連携しながら、有機農業の普及推進に取り組んでまいります。  次に、農業担い手の育成についての御質問にお答えします。  農業・農村は、安全・安心な食の提供や美しい農村風景の形成など県民の幸せの基盤であり、高齢化が進む中で本県農業が持続的に発展していくためには、これまで以上に新規就農者を確保していく必要があると考えております。  現在見直しを進めております県農業・農村振興計画では、新規就農者の確保目標を現行の2倍となる年間120人とすることなどを検討しておりまして、併せて支援策の充実を図ることとしております。  具体的には、新規就農者が早期に経営確立できますよう、就農前後における資金の交付や必要な農業機械等の導入支援を国と連携して行いますほか、所得確保が期待できる園芸での就農促進のため、産地が主体となり、人材を呼び込むための情報発信や農業体験の実施、就農前の研修指導や先輩農家による伴走支援など、就農から定着までの一貫した受入れ体制モデルの整備に取り組むこととしております。  また、就農支援ポータルサイトであるとやま就農ナビにおいて、農業の魅力や大切さ、面白さを語る先輩就農者の声や、就農後の姿が具体的にイメージできるPR動画などを積極的に配信しているところであり、引き続き県内外から注目される魅力あるサイトづくりを進めていきたいと考えております。  今後とも、就農希望者が夢と希望を持って安心して農業に参入できますよう、稼げる農業の具体的なビジョンを示すとともに、関係機関と連携しながら地域の受入れ体制づくりや支援策の充実強化を図り、新規就農者の確保に努めてまいります。 23 ◯議長(五十嵐 務君)杉本警察本部長。    〔警察本部長杉本伸正君登壇〕 24 ◯警察本部長(杉本伸正君)私からは、交通安全施設に関する御質問にお答えいたします。  信号機をはじめとする交通安全施設は、交通の安全と円滑を図る上で極めて高い効果を発揮し、県民生活や社会経済活動を支える重要なインフラ施設であることから、効果的かつ効率的に整備すべきものと考えております。  このような中、議員御指摘のとおり、交通安全施設の多くが更新時期を迎え、老朽化の進行という課題を抱えているのが現状でございますので、これまでの県警察の整備方針や、富山大学や自治体関係者などの幅広い分野の有識者からの御意見を整理し、本年1月に、総数抑制と老朽施設の整備更新を重点とする交通安全施設の整備方針を策定したところでございます。今後、この整備方針に基づきまして、信号機の総数抑制と経費の削減を図りながら、老朽化施設の更新整備を進めてまいります。  この際、更新基準年数を超えたことをもって一律に更新対象とするのではなく、具体的な危険発生予測から更新対象施設を選定することとしております。例えば、議員の御指摘にございましたけれども、交通信号制御機につきましては、約2,400基のうち、故障発生リスクが大きくなる製造後26年を経過するものは、向こう5年間で565基となります。これにつきましては、来年度から113基ずつ更新する計画に取り組んでいくこととしております。  今後とも、交通の安全と円滑を図るという観点から、交通安全施設全般の状況を把握、分析しながら計画的な更新整備を推進し、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。 25 ◯議長(五十嵐 務君)出来田生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長出来田 肇君登壇〕 26 ◯生活環境文化部長(出来田 肇君)私からは、成年年齢引下げに関する御質問にお答えいたします。  成年年齢の引下げに伴いまして、新成人が悪質商法の新たなターゲットとなるなど、消費者被害の低年齢層への拡大が懸念されております。  このため県では、平成31年3月に改定しました富山県消費者教育推進計画において、新たに若年層の消費者教育を重点テーマと位置づけまして、弁護士会と共催した実践的な高校生向け出前講座の実施や、教育委員会と連携した専門家による教員向け研修会の実施など、その充実強化に取り組んできたところでございます。  また、今年度は、在学中に成年となる高校生やその保護者を対象として、悪質商法等への注意喚起を促す啓発チラシを約3万枚配付したほか、若者に多い相談事例や気をつけたいポイント、相談窓口等を、県のホームページやツイッター、インスタグラムなどのSNSで広く情報発信するなど周知を図っているところでございます。来年度は、新成人向けの消費生活講座を新たに実施することとしておりますが、若者のみならず、PTAや地域の幅広い方々にオンラインでも参加いただけるようにしたいと考えております。  一方、事業者に対しましては、消費生活センターの相談業務の中で、新成人の契約等の知識や社会経験の不足に乗じることのないよう、丁寧な説明など適切な対応を促してまいります。  今後とも、消費者教育の充実強化はもとより、消費者、福祉などの関係団体、関係機関と連携を密にしながら、地域ぐるみで若者の消費者トラブルの未然防止に取り組んでまいります。 27 ◯議長(五十嵐 務君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 28 ◯土木部長(江幡光博君)私からは、建設業の人材確保についての御質問にお答えをいたします。  県内建設企業は、社会資本の整備、維持更新の担い手であり、災害対応や除雪など、地域の安全・安心を守る重要な役割を果たしておりまして、将来にわたり地域で活躍していただくためには、人材確保、定着に資する取組が重要と考えております。  県ではこれまでも、若者・女性向け現場見学会等の実施や、高校等への建設業のPR動画、PR誌の配付、また建設企業の採用活動に要する費用や労働環境の改善に要する費用、除雪オペレーター確保のための免許取得費用などについて支援を行ってきたところであります。  また、ICT機器やウェブ会議システムの導入への支援や、週休2日制モデル工事の対象範囲を拡大するなど、建設業のDX、生産性の向上、働き方改革の推進にも取り組んでおります。  さらに来年度は、女性活躍や若者に焦点を当てまして、建設業のイメージアップに重点的に取り組むこととしております。具体的には、女性技術者のテレワーク等働き方改革を推進する費用や各種事業者団体が実施する広報活動事業への支援、また高校生がより建設業を身近に感じるきっかけとなるよう、生活インフラのフォトコンテストの開催などを新たに実施いたします。
     今後とも、地域に貢献する建設企業が将来にわたり健全な経営を続けられるよう、事業者団体や関係機関とも連携しながら、建設人材の確保につながる施策を積極的に進めてまいります。  以上でございます。 29 ◯議長(五十嵐 務君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 30 ◯教育長(荻布佳子君)最後に、教員の確保に関する御質問にお答えいたします。  本県教育の充実発展のためには、何よりも将来を担う意欲あふれる教員の採用確保が必要不可欠であり、喫緊の課題でございます。  昨今の極めて厳しい採用環境を踏まえ、本県では一昨年度より、「とやまで教員」応援事業としまして、地元富山を離れた学生や富山への移住を考える方向けの教員UIJターンセミナーの開催や、教員を志す学生などに向けた教員養成講座の実施などにより、本県教員として働くことの魅力についてPRを行ってまいりました。  また、採用選考検査においても、大学推薦枠の創設や特別選考の拡大など、受検者増を図るための不断の見直しを行ってまいっております。  加えて、教員の働き方改革に向け、一昨年度より設置しております、とやま学校多忙化解消推進委員会での提言を踏まえ、業務改善を積極的に進めますとともに、教員の意識改革や地域人材、専門人材の活用などにも取り組んでまいりました。  来年度に向けましては、若手教員による県内外大学におけるリクルーター活動や、SNSなどの活用による発信を一層強化いたしますとともに、選考検査の見直しを行い、県の就職協定締結大学や採用実績の高い県外大学にも推薦枠を設定するなど、大学推薦枠を大幅に拡大いたします。  また、住環境や子育て環境に加え、本県教育の理念や取組の方向性についても、教員の仕事の魅力を発信する冊子やPR動画等も用いながら、教員志望の学生のみならず、大学担当者などに対しても積極的に発信する取組を強化することとしております。  こうした取組により、本県教育を担う優秀な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 31 ◯議長(五十嵐 務君)以上で奥野詠子君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午前11時56分休憩       ───────────────────  午後1時00分開議 32 ◯議長(五十嵐 務君)休憩前に引き続き会議を開きます。  中川忠昭君。    〔31番中川忠昭君登壇〕 33 ◯31番(中川忠昭君)私は、自民党新令和会を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する諸問題について質問をいたします。  質問に先立ちまして、一言申し上げます。  オミクロン株の強力な感染拡大のピークアウトが見えない中、感染症の対応に携わっている医療をはじめ関係の皆様に、改めて敬意と感謝を申し上げます。  ロシアによるウクライナ侵略・侵攻は断じて許し難い暴挙であり、政府においては一層の厳しい対応をするべきと思います。  この事態は、中国と台湾との関係、そして我が国の置かれた状況を考えれば、対岸の火事とは思われません。  また、我が国は、防衛や食料、エネルギーも、コロナ用ワクチンや薬も、外国に依存しなければならない情けない国になっています。いざというとき県民の命を守るにはどう対応したらよいのか、常に考えながら県政はあるべきと思いつつ、質問に入ります。  まず、令和4年度の予算編成と行財政運営について伺います。  新田知事におかれては、一昨年就任以来、2回目の予算編成であります。昨年度は種まきの予算ということでありましたが、令和4年度予算は、全ての施策において実現力が発揮でき、確実に執行できることが問われる重要な予算編成であると思っております。  少子化による人口減少が進む中、新型コロナウイルス感染症による厳しい経済状況を乗り越えるため、成長戦略会議を設置し、本県の新たなビジョンとして「真の幸せ(ウエルビーイング)」、「自分らしく幸せに生きられること」を掲げ、わくわくする富山県の実現に向けて予算編成がなされました。  令和4年度予算編成に当たり、新型コロナ対策の最優先はもちろんでありますが、従来のマイナスシーリング方式からゼロベースで事業の抜本的見直し・再構築方式への転換や、昨年初めて取り入れたサンドボックス予算で実施した事業を予算化したほか、予算全般にわたり、創業、創出、課題解決、実証実験などのキーワードが盛り込まれるなど、多くの新規事業が立ち上げられており、評価するとともに、大いに期待しているところであります。  そこで、就任後2回目の当初予算編成となる令和4年度当初予算案は、全ての施策に知事の考えを反映できる重要なものと考えますが、どのような思いで編成されたのか、また、どのような特徴があるのか、新田知事にお伺いいたします。  また、施策を実行するためには、何よりも、県職員が現場に出向き、県民や市町村職員と積極的に交流し、一体となって施策を進めるアクティブ県庁を実現することが重要であります。  その上で、施策を確実に執行できる組織体制を構築するとともに、現場主義の徹底による県庁のオープン化を進めることが必要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  さらに、県民の県政参加を促進するためには、県が進めようとする事業の必要性と内容を積極的かつ丁寧に説明し、理解してもらうことが重要であります。  そこで、県民との一体感を醸成し、県民が主役となった事業展開を実現するためには、県の事業に関する広報活動や発信力を強化する必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  次に、新型コロナ感染症対策について伺います。  オミクロン株の重症化率はデルタ株に比べて低いと言われていますが、感染力が強く、ワクチン効果が薄れた高齢者にとって重症化のリスクは高く、重症患者の増加によって入院病床が圧迫されれば、医療提供体制への負荷が高まるのであります。  そこで、オミクロン株の感染が止まらない中、学校、保育所等でクラスターが発生しており、徹底した感染防止対策を講ずること、また、高齢者の重症化予防に重点的に取り組み重症者を出さないこと、そして医療提供体制を維持することが重要でありますが、どのような対策を講じていくのか、知事にお伺いいたします。  また、感染拡大を防止するためには、効果のある3回目のワクチン接種を進めることが重要でありますが、3回目の追加接種が思うように進んでいません。その原因をどう分析し、今後どのように対応していくのか、前倒し接種も含め、現在の接種状況と併せて知事にお伺いいたします。  次に、新型コロナの急激な拡大により、県内の中小企業、個人事業者等は大きな影響を受けており、今後の事業の見通しを立てられるようにするためにも、応援金の速やかな支給が求められます。  先月18日に発表された中小企業者等「緊急支援パッケージ」について、県内の中小企業、個人事業主等に広く周知するとともに、スピード感を持って事業復活緊急応援金を支給すべきと考えますが、どのように取り組むのか、布野商工労働部長に伺います。  次に、ウエルビーイングの実現に向けた人づくりと女性活躍について伺います。  真の幸せ(ウエルビーイング)を享受できる成長戦略を達成するには、何よりも、次世代の価値を育む人材が必要であります。大本は、出生数を増やし、転入者を増やすことです。  本県の出生数は、1970年から2020年の50年間で64%減少し、全国ワースト11位であり、石川県の57%、福井県の56%と比べても、大変厳しい現実であることを強く認識すべきであります。  出生数が少なくなっているその最も大きな原因は、これまでも指摘されているとおり、20代前半女性の県外流出です。  これまで、結婚や子育てへの支援はかなり充実してきていますが、20代前半女性をとどめる、引きつける決定的な対策がない中で、私は、その大きな原因は高校教育にあると思います。子供たちには社会に役立つ人間になってほしい。そのためには、社会に出て活躍できる力を育む教育をしなければなりません。希望や夢を持っているにもかかわらず、内申書に気遣い、成績順で高校に入らざるを得ない状況で、肝腎の、何を学ぶために行くのかが置き去りになっています。学びたい学科や高校がない、特に女性が学びたい学科が少ない、多感な10代の中学・高校生にとって息苦しい教育環境になっているのではないでしょうか。  高校の職業教育の充実を図っているとのことでありますが、そもそも職業系の学科を卒業しても、その道に進む者は極めて少ない。それが本県の職業教育の実態であります。  現在、高校の在り方が、令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会で検討されておりますが、なぜ県立だけなのか。私学も含めた検討ができないのか。40年余りほとんど変わらぬ公私比率を堅持するのではなく、県立高校と私立高校の役割分担をして教育を提供すべきであります。  また、普通系学科を対象にした職業プログラムモデルの案を見ましたが、あまりにも社会が求めている職業教育と乖離していると感じています。  あらゆる分野でイノベーションによる変革を求める社会になっており、社会経済環境が激しく大きく変化している中で、普通科偏重を大転換し、職業教育を充実すべきであります。  普通科を見直し、職業教育からスタートして卒業後に社会に出る者、大学を目指して専門性を磨く者を導いてこそ、社会に出て役立つ仕事に就くことができ、そこに、自分らしく生きられる原点、ウエルビーイングの原点があるのではないでしょうか。そのような学校をつくることが、若者を引きつけ、全国から本県へ来たいと思ってもらえることにつながっていくと考えるのであります。  しかし、現在、県立高校では、転校生や海外子女を容易に受け入れるのが厳しいなど、国際バカロレア資格を導入した学校づくりも、挑戦する前から難しいと聞こえてまいります。こうした教育風土も改善すべきと思うのであります。  そこで、真の幸せ(ウエルビーイング)を享受できる成長戦略を達成するには、何よりも、次世代の価値を育む人材の育成、人づくりが必要であり、若者が自分の学力によって高校を選ぶのではなく、何を学ぶために高校へ行くのか自分で考え、県もそれに応える教育を提供することが重要であり、その実現のために突き抜けた議論をし、思い切った改革を実施すべきと思いますが、荻布教育長に伺います。  次に、女性活躍についてであります。  予算案には、ウエルビーイング創出を牽引していくような、女性活躍「ファーストペンギン企業」パイロット事業をはじめ、多くの施策があり、セミナーの開催などはもちろん必要であります。しかし、何よりも、個別に企業訪問して、指導、アドバイスできる人材を確保し、県挙げて女性ファーストに取り組むべきであります。  そこで、県内企業で女性が幅広く活躍できるよう、また、若い女性が働きやすい職場づくりなどの受入れ環境、さらには、女性にとって起業しやすい環境を整えていく必要があると考えます。どのように取り組むのか、三牧知事政策局長にお伺いいたします。  次に、若者就業支援についてであります。  国の雇用動向調査によれば、29歳以下の新規就労者は、2015年と2020年を比べると、本県は2万400人で21.2%減少する一方、石川県は3万1,800人で3.6%の増、長野県は2万9,800人で30.7%の増となっており、若者の新規就労者の増加は地域に活力をもたらすことを思うと、非常に残念な結果となっております。  他県の成功事例を見ると、就職採用活動や奨学金返済支援、積極的なインターンシップに加え、交通費や宿泊費助成、仕事と暮らしの相談など、多岐にわたる支援を行っております。  そこで、本県における若者の就業支援について、一層の支援強化、充実を図ることが必要であり、相談窓口も富山駅に近いところで行きやすい場所にすることも含め、どのように対応するのか、商工労働部長に伺います。  次に、小児医療体制についてであります。  少子化が進む中で、次世代を担う子供たちの命と健康を守っていかなければなりません。しかし、開業医の高齢化、小児科医の成り手が少なくなるなど、小児科医の不足が顕著になりつつあります。そのため、救急医療や高度医療の提供体制、さらに、医療的ケア児、発達障害児など心の問題にも対応できる医療体制を早急に構築する必要があります。  県で昨年設置された小児医療等提供体制検討会で議論された内容を踏まえ、令和4年度から対応することも含め、小児医療提供体制の構築に今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  富山県武道館についてであります。  急速な情報技術の進展に伴い、モラルや人格の形成がますます必要となってきており、その役割を果たしていくのが武道教育であります。その殿堂とも言うべき富山県武道館建設が待たれるのであります。  建設に当たっては、民間活力導入可能性調査結果を受け、実施設計以降にPFI-BTO方式を採用し、予定では、事業者の公募から選定に至るまで2年間を要し、開館時期が令和9年度になるとのことですが、事務手続にあまりにも時間をかけ過ぎであります。  基本構想を基に、基本計画、基本設計を既に終えており、民間事業者のノウハウ活用や創意工夫できる余地は限られており、可能な限り早めるべきと考えますが、蔵堀副知事に伺います。  次に、成長戦略と産業経済活性化について伺います。  成長戦略の実現に向けて、産業や地域などあらゆる分野の課題を解決するには、データの活用は欠かせないものであり、DXを推進するためには、データ基盤を構築し、県民の利便性向上を図っていく必要があります。  例えば、地域公共交通を考える上でも、観光や防災、働き方改革を進めるためにも、人流データを集積し、活用環境を整えることが肝要でありますし、まちづくり、高齢化対策など市町村とのデータ基盤の連携を進めていく必要があります。  そこで、デジタル化は成長戦略を実現するためのエンジンであり、データ基盤の構築やDX人材の育成などの対応を強化していくべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか、知事政策局長に伺います。  県内の企業数は、平成11年には約5万社でしたが、平成28年には約3万5,000社と約30%の減少であり、しかも、経営者の平均年齢は60.4歳と高齢化が進んでいます。また、令和2年の休廃業と解散件数が365件と大きく増加し、その経営者の9割が60代であります。  このような経営者の高齢化や後継者不在による休廃業、解散を放置すれば、地域経済の観点からは、資金が域外に流出し、流入が減るとともに、地域の魅力がどんどん薄れ、雇用も維持できなくなるのであります。  また、追い打ちをかけるように、コロナ禍で県内中小企業は大変な痛手を受けましたが、富山県中小企業リバイバル補助金やミニリバイバル補助金により、コロナ後を見据えた企業連携や業態転換等による新ビジネスの創出など意欲的に取り組む事業者が増えており、この補助金は有効かつ好評であったことから、今後も同様の支援を期待する声が非常に大きいのであります。  そこで、県内における事業承継を進めるために、昨年4月から、事業承継・引継ぎ支援センターにおいてワンストップ対応をしてきましたが、これまでの成果と課題をどう認識し、今後どのように取り組むのか、また、経済社会の構造の急速な変化に対応し、事業の再建や成長発展に向けて意欲的に取り組む県内企業をどのように支援していくのか、知事にお伺いいたします。  昨年4月から9月の半年で、全国の新設法人数が前年同期比34.6%増となっており、コロナ禍後の新たな商機を捉えようと全国で起業熱が高まっており、本県でも伸び率が45.2%と全国4位でありました。これは、昨年から創業や起業の支援を知事政策局に移し、部署を横断的にして施策を展開したことが成果の現れだと思われます。  しかし、創業や起業数はまだまだ少ないのも実態であります。少ない原因として、インキュべーションマネジャーやハンズオン、いわゆるスモールビジネス、スタートアップ企業をそれぞれ指導できる人材が配置・確保されていないことや、資金の準備、県内への誘致体制などがなかったからだと思うのであります。  そこで、創業・起業支援について、これまでの支援策をどのような観点で見直し、どのような目標を立て、事業を実施することにしたのか。また、新たな支援を県内外に広く知ってもらうために情報発信が重要と考えますが、どのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。  さらに、本県産業の活性化には、海外展開は不可欠であります。令和4年度にはオレゴン州やベトナムの経済交流などが予定されていますが、要は現地での拠点づくりであります。現地拠点には、二、三か月ではなく、常駐できる人材を通年で配置して展開すべきと考えます。  また、先日、日本からのワクチン提供に感謝を示すため、台湾の屏東県で開催された屏東日本友好感謝祭において本県の観光資源をPRできたことは、コロナ禍で現地での交流が難しい状況が続く中で、すばらしい取組だと思います。  そこで、本県産業の活性化に不可欠な海外展開を進めるため、現地における拠点づくりが、新たな販路開拓や産業の活路を見いだすチャンスにつながると考えますが、今後どのように取り組むのか、また、コロナ禍における2年間、オレゴン州をはじめとする友好提携先との交流関係をどのように維持し、今後どのように交流を進めるのか、併せて知事にお伺いいたします。  次に、農業についてであります。  人口減少と多様な食生活の進展により、今後も米需要が毎年確実に減少する厳しい状況であり、米以外の作物栽培を促進し、販売に至るまでの体制を構築し、農業所得の向上を目指さなければなりません。  本県農業の役割は、まずは県民に安心・安全な食料を供給し、県民の命を守り、県土を守ることです。そのためには、県民ニーズを把握し、農業生産に反映させること、さらに、県外や輸出に向けて市場調査をし、生産拡大に結びつけていくこと。そのためには、販路開拓できる人材を持った地域商社などへの支援をすることが必要であります。  また、園芸作物を栽培指導できる人材の確保、さらには栽培技術のデータのストック、それらを指導できる農林水産総合技術センターに加え、新しく大学との連携が必要と考えます。  さらに、日本人の主食は米と小麦になっている現状から、小麦栽培も視野に入れて検討すべきと思うのであります。  そこで、今後、米の需要が毎年減少する厳しい状況が続く中、米以外の作物による所得向上を目指すべきであり、栽培技術指導が伴う生産から販路開拓による販売までを、県外や輸出に向けた地域商社支援や大学との連携、担い手対策などを含め、どのような体制で取り組むのか、横田副知事にお伺いいたします。  人口減少が強まる中で、輸出拡大は大いに進めるべきでありますが、まずは、我が国と本県の自給率を向上させる生産体制の構築であり、農業生産物の国際的な安全基準をクリアすることを優先すべきであります。  欧米では、農薬や化学肥料を減らす動きが高まっており、国際基準をクリアするためには、みどりの食料システム戦略の推進は欠かせない施策だと理解していますが、予算案ではその取組が感じられません。  国のみどりの食料システム戦略を推進するためには、耕作放棄地ではなく、スマート農業を中心にした大規模農業と、有機栽培や高収益作物を取り入れた小中規模農業などの多様なモデルを構築して進めるべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか、堀口農林水産部長に伺います。  次に、国営水橋地区は令和3年度に着工し、令和4年度から事業が本格的に進められ、大型圃場が毎年増えてまいります。北陸初となる大型圃場整備事業であり、約620ヘクタールの大型圃場でどのような形による農業経営がなされていくのか、全国のモデル地域として注目されております。  そこで、将来を見据えた法人、集落営農、個人の経営形態ごとにモデルをつくり、スタートアップしていく必要があると考えますが、JAなど民間農業支援組織の設置や県の支援も含めてどのような体制で進めていくのか、農林水産部長に伺います。  次に、観光資源についてであります。  現在、第3次の新たな観光振興戦略プランの素案が示されており、富山の日常と富山の暮らし自体が持つ魅力を最大限生かして、旅行者、滞在者、移住者が増加することを目指すとしています。  具体的には、女性による「暮らすような旅」観光サービス事業化プロジェクト、マイクロツーリズム推進事業、デジタルを使った情報発信事業など、多彩で精力的な取組が提案されていますが、地域に住んでいる者にとっては、日常や暮らしが当たり前となっており、自分では何が魅力なのか気がつかないことが多いのが実態であります。その魅力の発見やガイドには、地域外、県外の方、特に20代の女性が大きな力を発揮してもらえると思うのであります。  そこで、本県観光の振興には、日常生活の中にある本県の魅力を再発見して誘客を促進することが効果的であり、市町村と連携するとともに、地域外、県内の若者、特に女性の視点を生かした取組が効果的と考えますが、どのように取り組むのか、助野地方創生局長に伺います。  また、本県観光の目玉は立山黒部アルペンルートでありますが、これからの観光では、ルート周辺を歩きながら自然環境を楽しむことが一層進むと思います。  また、コロナ禍の密を避けるレジャーとして、登山や山歩きの人気が高まっていますが、道に迷ったり、けがをしたり、遭難する危険があり、安全な環境づくりが重要となっております。  そこで、これからの観光には豊かな自然環境そのものが貴重な観光資源であり、今後、登山や山歩きなどが増えると思われますが、安心して登山できる環境・体制づくりにどのように取り組むのか、出来田生活環境文化部長に伺います。
     次に、成長戦略とまちづくりについて伺います。  成長戦略では、新しい価値を生む人材は個性的で自由な文化風土を好むため、官民連携による富山らしい個性的なまちづくりに取り組むとして、居心地がよく個性的な市街地・田園地域づくりを掲げています。  これまで公共施設は、長寿命化に努め適切に管理されてきましたが、人口減少が進む中、施設の老朽化に加え、維持管理費が多額となるため、公共施設の再編統合が大きな課題であります。  まちづくりの観点からも、不要なものは早く撤去し、空いた土地は民間に払い下げるなど、個性あるまちづくりに活用することが必要であります。  例えば、富山市街地では、富山総合庁舎、教育文化会館、森林水産会館などは、老朽化し、オフィスとしての機能も低下しており、民間施設に入居するなどして土地の民間活用を図っていくことが必要であると思うのであります。  そこで、県では新たにファシリティマネジメント調査検討事業を実施予定でありますが、どのような観点でこの事業を実施しようとしているのか、また、市町村が行うまちづくりともしっかりと連携した対応が必要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  また、社会インフラが整備された商店街や住宅地の空き家が増加し、手つかずで放置されており、環境悪化をもたらし、まちづくりを阻害しているのが現状であります。  若い世代は、新しい工法で造った住宅と利便性が高い立地環境を望んでおり、町なかの宅地に誘導しなければもったいないのであります。空き家という建物だけではなく、土地に着目し、宅地放棄地だという認識で対応すべきであります。  そこで、社会インフラが整備された地域における商店街の空き店舗や住宅の空き家が依然として増加しており、市町村と企業、地域連携の下、利便性が高い立地環境等を積極的に情報発信して呼び込むことが必要と考えますが、どのように取り組むのか、江幡土木部長に伺います。  また、農村地域は食料生産する基地であるとともに、農業を営む者が住む生活の場、さらには、農業生産により県土が守られ、県民の命を育んできた田園地域であり、知事もおっしゃるとおり、幸せの基盤なのであります。  しかし、農業後継者のいない家や空き家が増加し、用排水路などの維持管理ができない集落も出てきています。  そこで、維持管理の作業に参加する人を増やし、非農家が空き家だけでなく、現在一部区域で制限されている敷地の利活用も進めることにより、関係人口や移住者を増やし、集落を活性化し、美しい田園地域にすべきと考えますが、農林水産部長に伺います。  最後に、地域公共交通対策について伺います。  田園地域と町を結ぶ、あるいは町なかの移動手段をどのように構築するのかということは、大きな課題となっています。  トヨタでは、もはや車は売るのではなく、移動そのものを売るとして、自らを自動車メーカーからモビリティーカンパニーに転換宣言しました。  国では、鉄道、バス、タクシー、船、飛行機、カーシェア、シェアサイクルなど、複数の交通機関のサービスを一つのサービスとして結びつけ、人の移動を大きく変えるシステム「MaaS」を推進し始めました。  また、2019年に「スマートモビリティチャレンジ」プロジェクトを立ち上げ、地域における移動課題の解決や経済活性化を目指すため、ITの力や自動走行技術など4つのコンセプトを掲げ全国展開し、後押しをしています。  県民の利便性の高い移動手段を確保するには、交通事業者間の連携体制の構築、データ連携を行うための環境整備、道路運送法などによる制限への対応など課題も多いのでありますが、実証実験などスマートシティー宣言をしている富山市などと連携し、取り組むべきであります。  そこで、令和4年度当初予算案では、持続可能な地域公共交通体制の構築に向け、富山県地域公共交通計画の策定をはじめ、MaaS環境の構築、新モビリティーサービス等を進めるとしていますが、法律による制限や市町村との連携等の課題がある中でどのように取り組んでいかれるのか知事にお伺いいたしまして、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 34 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 35 ◯知事(新田八朗君)自民党新令和会を代表されての中川忠昭議員の質問にお答えします。  まず、当初予算編成についてお尋ねをいただきました。  令和4年度当初予算編成につきましては、新型コロナ対策と社会経済活動の両立に全力を挙げていく、そして、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」を目指して、ワクワク富山実現への思いを込めて編成をいたしました。  その特徴としては、まず新型コロナ対策が挙げられますが、感染拡大の防止、また、医療提供体制をさらに充実させることに加えまして、経済面の手当てとして中小企業ビヨンドコロナ補助金の創設など、事業継続や経済活動の回復に向けた対策を強化することとしています。  また、スタートアップ企業の創出、アルミやグリーン成長戦略分野における産業競争力の強化、女性活躍の推進、子育て環境の充実、中小企業におけるDXの推進、農林水産物の輸出促進、さらに、令和のニューディール政策、富山成長戦略や富山八策及び八十八の具体策を推進する具体策を相当程度盛り込んでおります。  一方で、園芸産地支援の在り方など、社会経済情勢を踏まえて見直しも行いました。長く続いてきましたマイナスシーリングを廃止し、ゼロベースで既存事業の見直し・再構築に努めたことで、見直し効果額は例年を大きく上回る18.2億円となりました。  さらに、本年度のサンドボックス予算を活用して実施した成果は、ほぼ全て次年度の予算につなげることができました。引き続き、新年度でもサンドボックス予算を計上し、各部局が現場の視点、アイデアを生かして新たな課題に迅速果敢に対応できるよう、対象の部局も増やしまして実践することとしています。  この予算案によって、これまでまいてきました種が果実を結び始め、若者からお年寄りまで全ての県民が希望に満ち、笑顔があふれる富山県、わくわくすることがたくさんある富山県、チャンスがあり夢をかなえることができる富山県の実現に向けて、引き続き県民目線、スピード感、そして現場主義を徹底して取り組んでいきたいと考えております。  次に、組織体制の構築、さらに県庁のオープン化についての御質問にお答えします。  先日策定しました成長戦略、さらに八十八の具体策に掲げる施策を実現するため、令和4年度に向けた組織改編では、成長戦略の推進役として、知事政策局にウェルビーイング推進課を設置をいたします。また、持続可能な公共交通の構築に向けた体制の強化として、交通政策局を新設いたします。また、国において設置予定のこども家庭庁の受皿となる、また、カウンターパートとして、こども家庭室を設置をし、子供関連施策の一元的な推進体制を整備をいたします。  また、緊急性、重要性の高い課題を既存の組織の枠を超えて推進する新たな仕組みとして、プロジェクトチーム制を導入することとしました。民間企業ではごく普通に行われることですが、プロジェクトチームをつくり、テーマに応じて担当の理事を指名し、そして専任の職員もつける本格的なプロジェクトチーム制を実施してまいりたいと考えております。  また、施策の実現には、民間や市町村など様々な関係者の理解と連携、協力が不可欠であると考えております。県民参加あるいは官民連携がしやすいよう、県庁のオープン化を進めていくことが大切だということは、議員の御指摘のとおりでございます。  このため、新年度、新たに県と市町村の職員が一体となって地域課題の解決に取り組んでいくフィールドワーク研修を地域活性化センターの指導の下に行います。また、行政テーマ別の行政課題研修、女性職員による政策課題研究やネットワークづくりなどを実施し、地域に飛び出し活躍する越境人材の育成に取り組んでまいります。  さらに、風通しがよく柔軟な発想が生まれる職場環境づくりに向け、県職員同士はもちろん、市町村の職員や民間の皆様にも加わっていただき、気軽に情報交換や意見交換ができるフリースペースを県庁舎内に整備することとしています。  こうした新たな体制の下、引き続き、県民目線、現場の声を大切にし、県職員が積極的に現場に赴き、県民や市町村職員と一体となって様々な施策に取り組んでまいりたいと考えます。  このような取組を続けることが人を成長させると信じております。「お金を残すは下、事業を残すのは中、人を残すのは上」と言われます。そのようなことで、今後につながる人づくりに努めていきたいと考えております。  次に、広報活動や発信力の強化についての御質問にお答えをします。  発信力の強化に関しましては、まず、私の定例会見の開催頻度を上げてまいりました。本年度、令和3年度は、4月から先月2月までの間に49回の定例会見を開催をしております。また、そのほかに、県の広報紙、新聞、テレビ、ホームページ、SNSなど多様な広報媒体の活用に取り組んでいます。  一方で、県民の県政に対するニーズが多様化、複雑化していることから、よりきめ細かな情報伝達に加え、情報発信により県民参加や官民連携を促すことが重要であると認識をしております。  その一環としまして、先般策定した富山県成長戦略の検討の過程では、本県の未来のビジョンを県民の皆様と共有し、共に考え、つくり上げていくため、全15の市町村でビジョンセッションを開催をいたしました。また、今月中旬には、県内各地で富山県成長戦略カンファレンス「しあわせる。富山」を開催をいたしますが、ここでも成長戦略を広く、イベントなども通じて発信をすることにしております。こうしたことも通じて、県民の県政参加を促していきたいと考えています。  なお、成長戦略は案の段階でパブリックコメントに付しましたが、このような取組のかいもあったのかどうか、通例を大きく上回る130件の、一つ一つ思いが籠もった御意見をいただいたところでございます。事務局ではうれしい悲鳴を上げておりました。  また、私たちのこの思いを伝えるのにテクノロジーも活用しようと考えております。県民や事業者の皆さんなどの属性に応じた情報をプッシュ型で伝達するための情報発信手段の確立を、新年度目指してまいります。そして、そのことによって、より県民が見やすく使いやすい形になるように、県のホームページの改善も図ることとしております。さらに、若者向けの動画コンテンツの制作、SNSの配信などにより、若年層への県政情報、魅力の発信を強化することとしております。  今後も県民目線での情報発信を心がけますとともに、デジタル技術を活用し、発信力の強化に努め、より一層の県政への県民参加、あるいは官民連携につなげてまいります。  次に、感染症対策についての御質問にお答えします。  依然として新規感染者数が増加しておりますが、その速度は鈍化していると分析をしております。また、関係の皆様の御協力、御尽力により、医療提供体制の逼迫は今のところ見られませんが、中川議員御指摘のとおり、学校や児童、高齢者、福祉施設などにおいてクラスターが相次いで発生しています。さらに、その御家族へ感染拡大する傾向も現れています。  本県では、1月以降、オミクロン株の特性を踏まえた対策のさらなる徹底を各学校、施設等に周知をするとともに、クラスターが発生した際には、その都度、厚生センターの職員が施設に対して感染拡大防止策等の指導をきめ細かく行っております。  また、ワクチンの追加接種により発症予防効果や入院予防効果が回復することが報告されておりますことから、市町村や医療機関と連携をし、高齢者等への3回目接種をまず推進し、重症化の予防に努めています。  さらに、入院の必要な方が速やかに入院できるよう、療養解除の基準を満たす前でも、医師の判断で入院治療の必要が薄れたと判断された場合には、入院から宿泊療養等に移っていただく──これは私どもで下りと言っておりますが、そのような形でオミクロン株の特性を踏まえながら、適切な療養の提供に努め、かつ医療提供体制の堅持をしていくことを図っております。  引き続き、基本的な感染防止策の徹底を県民の皆様にお願いをし続けるとともに、適切な医療提供体制の確保に努めてまいります。  次は、ワクチンの追加接種についての御質問にお答えします。  3回目の接種については、昨年12月に開始しましたが、国から、医療従事者や高齢者、その他の方々の接種間隔の短縮が段階的に示されてきました。各市町村では、医療機関と調整し、接種の前倒しに本当に全力で対応していただいております。また、それとともに、教員や保育士への優先接種にも対応してこられたところです。  本県でも、特設会場を当初予定から2か月前倒し、1月29日から運用を開始しました。一般県民の方々を優先しつつ、空き枠などを利用して、警察官あるいは県立学校の教員への接種も行っているところです。2月27日、一昨日の時点で、県内では約21万4,000人の方が接種を完了し、人口比では、若干ですが全国平均を上回っているところです。  また、先日、岸田首相が表明された1日100万回を本県の人口に当てはめますと、1日約8,400回になりますが、既に超える日もあるということで、着実に接種は進んでいると認識しています。  一方で、3回目接種ではモデルナが多めに供給されている中、各市町村ではファイザーの接種を希望される方が多いと聞いております。さらなる接種の加速をしていくには、モデルナも選んでいただき、場合によっては交互接種になる方も、接種を加速するためにはそういった選択もしていただくことが必要になります。そのために、県においても新聞広告、テレビCMなどで交互接種のPRにも努めております。  先日、堀内ワクチン接種推進担当大臣と2回目の面談をさせていただきまして、国からも、より積極的かつ分かりやすい情報発信をお願いをしたところです。  今後も市町村とも連携をし、交互接種も含めた早めの3回目の接種を呼びかけてまいります。  次は、小児医療提供体制についての御質問にお答えをします。  次世代を担う子供たちの命と健康を守るため、県では今年度新たに検討会を設置し、医療機関、市町村、患者の代表などの皆様にお集まりいただき、本県の小児医療提供体制の在り方について、具体的な検討を重ねてまいりました。  昨年12月の中間取りまとめにおいては、今後取り組むべき事項として、小児科医の確保や持続可能な救急医療体制の整備、県立中央病院などを中心とする高度医療のネットワーク強化に加え、子供の心の診療に携わる医師の養成、災害時における医療的ケア児のための体制整備、気軽に相談できる支援の強化などが掲げられています。  今回の当初予算案には、新たに実施する事業として、県リハビリテーション病院・こども支援センターの児童精神科医や心理職の増員などの診療体制の強化、また、富山大学への寄附講座の設置による児童精神科医などの養成、そして、各地域の基幹病院への医師派遣による子供の心の診療体制の充実、その横展開、オンラインを活用した医療相談の導入などの事業を計上しているところでございます。  私の公約であります八十八の具体策の中に、こども病院構想を考えるというものがありますが、それを踏まえて立ち上げたこの検討会でありますけれども、参加者の皆さんからは、小児医療体制に光を当てたことはとても評価できるというふうに言っていただいております。  県としましては、来年度以降もこうした検討の場を継続をしてまいりたいと考えております。各種取組の実施状況を検証するとともに、本県の小児医療に係る中長期的な課題にも対応していきたいと考えます。  次に、企業の事業承継や再建、成長発展への支援についての御質問にお答えをいたします。  今年度実施しました事業承継アンケートの結果によりますと、後継者未定の割合は38.3%と全体の約4割を占め、前回の平成29年の調査とほぼ同様となりましたが、富山県事業承継・引継ぎ支援センターの認知度の向上に加え、準備状況が改善傾向にあり、一定の成果が上がっていると分析しています。  一方で、小規模事業者では、承継の準備が依然として進んでいない傾向も明らかになりました。このため、令和4年度では、なかなか事業承継の準備に取りかかれない小規模事業者の取組を支援するための補助金を創設します。また、事業者に身近な商工団体等の職員向けのセミナーの実施、県内の事業承継事例を紹介するリーフレットの作成を通じて、商工団体などとの連携を強化し、事業承継を一層促進していきたいと考えています。  また、コロナ後を見据えた事業の再建や成長、発展に向け、中小企業ビヨンドコロナ補助金を創設し、販路開拓や新商品の開発、事業承継などに加え、初歩的なIT導入からIoT、AI活用等による企業変革まで、意欲的な取組を幅広く支援することとしております。そして、その一部を前倒しして早期支援に取り組んでまいります。  さらに、オミクロン株の急激な感染拡大により大きな影響を受けておられる事業者に対し、事業の継続及び立て直しのために、中小企業者等「緊急支援パッケージ」として、富山県事業復活緊急応援金の支給なども実施します。  このほか、実質3年間無利子のDX推進資金や、融資対象を創業後2年以内から5年以内に拡充した創業者向けの県制度融資などと併せて、県内企業の意欲的な取組を応援してまいります。  次は、起業の支援についての御質問にお答えします。  これまでのとやま起業未来塾などによる長年の取組の結果としまして、県内で起業にチャレンジする機運が醸成され、市町村や民間等においても創業支援が広がってきました。  そこで、県の役割を見直し、起業未来塾を廃止し、事業計画の策定等の初期の創業支援については、市町村や民間事業の取組を支援することとしました。  県としては、今後は大きな成長が期待され、県内の起業家のロールモデルとなるような県内初のスタートアップ企業の創出を目指し、有望なスタートアップの事業拡大に対して集中支援を行ってまいります。  具体的な目標は検討中ですが、一定の期間の中でIPOを実現する、もしくはそれと同等の企業価値を発現する企業を複数社生み出すことを目指してまいりたいと検討しております。  議員御指摘のとおり、支援施策を知っていただくために、起業を目指す方々に向けた情報発信が重要と捉えております。創業支援センターが本年開設する予定でありますが、市町村や民間の創業支援施設、商工団体等の各支援機関とネットワークを構築をして、情報発信を強化してまいります。  また、県外から起業家を呼び込むため、首都圏の起業家や企業などが集まる会員型の共創施設であります渋谷キューズという、今、そういった方々が集まる場所がありますが、これを活用して情報発信をしていくことも試みます。  本県で創業する利点、例えば、創業支援センターの職住一体の支援環境や官民による起業家への手厚い支援のほか、ものづくり企業の集積があり、ファブレス、すなわち自社で工場を持たないことを目指す起業家にとっては大変にアドバンテージがあること。例えば、中国の深センでは、あしたの朝までに試作品を作ってくださいと言いますと、数十社が手を挙げるそうです。そんなことが富山県でも、ものづくりの集積を活用すれば十分可能だというふうに思います。そのようなアドバンテージや、あるいは、女性活躍への注力など、本県ならではの特徴で差別化し発信してまいりたいと思います。  次に、海外での拠点づくり及び友好国との交流について御質問をいただきました。  議員御発言の、昨日まで3日間開催されました台湾での屏東日本友好感謝祭は、現地の事業者の方に活躍いただき、本県の観光資源をPRできたものであり、こうした機会を提供いただきました議員に心から感謝を申し上げます。  さて、県の海外での拠点ですが、これまで、友好提携先である中国遼寧省に県大連事務所を設置したほか、県内企業の海外展開を支援するため、バンコク、台北、ウラジオストクに海外ビジネスサポートデスクを設置をしてまいりました。新年度には、県内企業の進出意欲が高いというアンケート結果がありますベトナムに、新たにビジネスサポートデスクを設置することとしておりまして、県内企業からの個別相談や現地展示会への参加支援など、現地の状況に応じたきめ細やかな支援を行い、県内企業の海外展開を後押しをしてまいります。  また、コロナ禍における友好提携先との交流についてですが、訪問団の相互派遣や留学生の受入れなどの交流事業の中止や延期が相次いできたところですが、オンラインも活用することによって、遼寧省・日本友好交流大会、これは昨年8月に行われました。また、オレゴン州のブラウン知事との懇談、これは昨年の11月に実施しまして、友好関係の維持に努めてきたところです。  新年度においては、オレゴン州に職員を派遣し、州政府、大学、現地企業などとの意見交換、情報収集を通じ、現地でネットワークを構築したいと考えております。  あわせて、人の往来が再開されれば、オレゴン州、ベトナムなどへの訪問団を派遣し、対面の交流を再開させるとともに、オンラインも併用しながら友好交流を推進してまいりたいと考えております。  先ほど言いましたように、ベトナムは、本県の企業が非常に進出意欲の高い国でございます。また、オレゴン州は、引き続き世界一の経済大国であり、まだ成長を続けているアメリカ合衆国への入り口として、友好提携先を大いに活用していきたいと考えております。  次に、ファシリティーマネジメントについての御質問にお答えをします。  午前中、奧野議員の質問にもお答えをしましたが、県有施設の老朽化が年々進んでおり、今後、更新のタイミングが集中的に到来することなどがやはり懸念をされています。  今、取りまとめの最中でありますが、今後30年でかなりの長寿命化を施したとしても、約4,000億円近い建て替え修繕費用が見込まれる、このままでいきますとそんなことも試算をしています。厳しい財政状況が続く中で、また、人口減少、県民の皆さんのニーズの多様化、デジタル化の進展、カーボンニュートラルへの対応など、社会経済情勢も大きく変わっております。このようなことを踏まえると、公共施設などは、その規模や配置、また整備手法などについて、時代に合ったやり方を抜本的に検討する時期が来ていると考えております。  このため、新年度新たに県有施設の利用状況などの現状を調査するとともに、将来の周辺人口の予測や利用ニーズ、行政サービスの提供体制の変化を踏まえた利用推計など、各施設の需要予測に取り組むことにしています。この需要予測に基づき、各施設について、更新するのか、あるいは集約するのか、あるいは複合化、廃止といった在り方の検討に着手をして、長期的な視野で官民連携の推進による整備等の費用の縮減や平準化も図りながら、県有施設の最適な配置を目指してまいります。  また、市町村との連携も大切だと考えておりまして、これまでも県有施設の整備に当たっては、立地する地元の市町村との連携、調整により進めてまいりましたが、財政面の制約や住民の利便性を考えますと、市町村が行うまちづくりと連携した対応はもちろんのこと、市町村との役割分担の下での施設の共同設置など、今後進めていく必要があると考えております。  このため、「ワンチームとやま」連携推進本部会議などを通じて、まずは県、市町村間での公共施設の情報共有を進めてまいります。先般のワンチーム会議で富山市の藤井市長からそのような御提案がなされたところで、特に本県も、富山市に多くの県有施設があります。富山市はじめ市町村とこのような情報共有を進めるとともに、公共施設の立地、配置などについて、共に取り組んでいきたいと考えております。そのために、十分に協議をして、かつ調整を進めることが大切だと思います。  私から最後になりますが、地域公共交通体系についての御質問にお答えします。  県民生活を支える公共交通サービスにとって、人口減少や少子高齢化、さらにはコロナ禍での暮らし方・働き方の変化やDXの進展などの社会の変化に的確に対応し、利便性の向上や持続可能性の確保を図っていくことが重要な課題だと捉えております。  このため、令和4年度では、地域公共交通計画の新たな策定に向けた調査検討、MaaSアプリと「とやまロケーションシステム」のデータ連携など、MaaSの推進に必要な環境整備、また、AI、ICT等を活用した新たな交通サービスの導入支援などの取組を実施していきたいと考え、予算案に必要な経費を計上しております。  これらの取組を効果的に進めるために、新たな交通サービスの創出に向けて、実証実験等に意欲的に取り組む市町村や交通事業者など、様々な関係者との連携が重要になります。今後、地域公共交通計画の策定に向けて法定協議会を立ち上げることにしておりますが、市町村を含む関係者にも幅広く参画いただくことによって、関係者との連携体制の構築、強化を図ってまいります。  また、こうした新たな取組を進めるに当たっては、道路運送法の新制度を活用して朝日町さんが始められたノッカルあさひまちのように、最新の法制度の積極的な活用も考えていく必要があります。  先月から国で始まりました鉄道運賃・料金制度のあり方に関する小委員会での検討状況など、法制度に関する最新状況も踏まえながら、持続可能な公共交通の確保に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 36 ◯議長(五十嵐 務君)蔵堀副知事。    〔副知事蔵堀祐一君登壇〕
    37 ◯副知事(蔵堀祐一君)私からは、富山県武道館に関する御質問にお答えをいたします。  富山県武道館の整備につきましては、今年度実施をいたしました民間活力導入可能性調査の結果を踏まえまして、導入方式として、実施設計からのPFI-BTO方式を選定したところでございます。既に基本設計を終えておりますけれども、実施設計、建設、維持管理、運営の各業務を長期にわたり民間事業者に一括で性能発注いたしますことから、県といたしましては、約6.2億円相当の財政負担軽減効果に加えまして、民間事業者のノウハウの活用や創意工夫の発揮が期待できるものと考えております。  今後のPFI法に基づきます事業者選定手続につきましては、他県等の先行事例におきましても一般的に2年程度を要しておりまして、本県においても同程度の期間が必要になるのではないかと見込んでおります。  本県の場合、この武道館の場合ですけれども、当該期間中に民間事業者と基本設計に対しますバリューエンジニアリングの提案を受け付けることといたしておりまして、また、令和6年度にはこの提案を踏まえまして基本設計を一部見直すことも想定されますことから、早期完成を図りますことは必ずしも容易でない面もあると考えておりますけれども、事業者選定手続、それから実施設計などで少しでも短縮を図りまして、できるだけ早期に開館できるように努めてまいります。  なお、開館時期は、現在の想定では令和9年度中になるものと考えておりますけれども、コロナ禍で県財政が厳しい中、稼働率アップや利便性向上などの点で民間のノウハウが活用できますこと、さらには総事業費を削減できるという効果も期待できます。富山県武道館が今後何十年という長いスパンで利用されるということを考えますと、こうした点も踏まえて整備していく必要があるというふうに考えております。  以上でございます。 38 ◯議長(五十嵐 務君)横田副知事。    〔副知事横田美香君登壇〕 39 ◯副知事(横田美香君)私からは、米以外の作物による所得向上対策についての御質問にお答えいたします。  本県の農業は、県内消費の3倍の米が生産される米中心の農業構造にあります。米の需要の減少で、市場から選ばれる米の生産には引き続き努力しつつも、県民ニーズに幅広く対応する園芸作物などの生産を拡大し、農業所得の向上を目指すべきことは、中川議員御指摘のとおりです。  園芸等の振興のためには、まず、生産における技術的課題の解決や省力化の確立、収穫期などの人手の確保、担い手の確保、そして販路開拓が必要です。  これまでも、技術課題につきましては、農林水産総合技術センターにおいて、必要に応じ大学などとも連携し、共同研究や実証を行ってきています。タマネギにおけるドローンでの防除や、ニンジンにおける土壌水分センサーを活用した適期のかん水などは、実証を経て来年度から普及していく予定です。  そして、人手に関しましては、今年度、サンドボックス予算を活用して、農作業支援サービスにタマネギやキャベツの収穫作業の委託実証を行いまして、栽培拡大に向けた有効性を確認しています。  今後、園芸振興のさらなる強化のために、来年度は支援する品目も拡大し、園芸で産地を牽引する経営体の育成、産地において新規就農者を受け入れるための農地の確保や指導体制などの整備などの受入れ体制づくりへの支援を行う予定にしています。  また、小麦など、気候や環境条件から多くの課題がございますけれども、そういった品目も含めて、多様な品目の技術的課題の解決のため、大学や国の研究機関との共同研究、そして栽培技術の情報の収集、普及指導員の指導力強化などを進めていきます。  販路開拓のための人材育成も重要な課題です。契約生産や実需者とのマッチングの後押しに加え、輸出促進協議会において、地域商社による輸出のための商流開拓、事業者連携などによる輸出の拡大策を議論しているところです。  関係機関そして団体と力を合わせて、若者が希望を持って入ってくる富山県農業を目指してまいります。 40 ◯議長(五十嵐 務君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 41 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、まず、緊急支援パッケージ等についての御質問にお答えいたします。  緊急支援パッケージについては、先月18日の公表直後から、県ホームページや公式SNSへの掲載はもとより、市町村、商工会、商工会議所、中小企業団体中央会等の経済団体への周知や、所管部局から飲食、宿泊、観光、交通等の関係団体への連絡など、関係部局を挙げて周知に取り組んでおります。  また、先週22日に開催いたしました中小企業の振興と人材の育成等に関する県民会議においても、金融機関など各界の代表者に関係企業等の周知をお願いしたところであります。  引き続き、広く周知に努めることとしておりますが、特に、緊急支援パッケージのうち富山県事業復活緊急応援金については、直ちに商工労働部内に特命チームを編成し、新聞広告、県ホームページ、公式SNSなどで広報を行いますとともに、この応援金をできるだけ早くお届けしたいとの思いから、鋭意給付のための様々な準備に取り組んできました。これまでに、コールセンターによる各種問合せに対応いたしますとともに、申請受付や給付のための事務局体制の構築を進めてまいりました。  本日、申請要項を公表いたしまして、県ホームページから申請書を入手できるようにいたしますとともに、市町村、商工団体等の窓口に申請書を配置いたしました。今週4日からは、まずは、郵送による申請受付を開始いたしまして、迅速に審査を行い、今月中旬から給付を開始したいと考えております。  御案内のとおり、手続審査の簡素化、支払い事務の迅速化のため、国事業復活支援金の給付通知書の写しを添付していただきますが、書類が整っていれば、申請受付から2週間程度で順次給付していくこととしております。  なお、オンライン申請につきましては14日からを予定しており、引き続き、スピード感を持って取り組んでまいります。  次に、若者の就業支援についての御質問にお答えいたします。  若者や新規学卒者の就労支援については、これまでヤングジョブとやまと連携し、対面式とウェブ方式を組み合わせた合同企業説明会や、WEBインターンシップ説明会の開催、説明会の参加者に対する交通費の補助や、ヤングジョブとやまに併設するわかものハローワーク等の、国の関係機関と連携した、来所者の属性や相談内容等に応じたきめ細かい支援を実施してきました。  また、UIJターン就職促進のため、首都圏等に5か所ある富山くらし・しごと支援センターによる相談支援のほか、県外理工系大学生等を対象とした奨学金返済についても支援をしております。  議員お話しの国の雇用動向調査による29歳以下の各年の入職者数は、この調査自体が無作為の抽出調査であることなどから、例えば、本県の2020年は2016年に比べると32.5%の増加となりますが、逆に、石川県は11.9%の減少、長野県も5.4%の減少となるなど、調査の年によってばらつきやぶれが大きいものでありますが、いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、若者の新規就労者の増加、県内定着は地域に活力をもたらすことから、より多くの県内外の若者に、県内企業に興味、関心を持ってもらいたいと考えております。  新年度は新たに、柔らかい雰囲気での合同企業説明会や、業界のリアルを知るトークイベントの開催、企業が抱える課題等に参加学生が主体的に取り組む課題解決型インターンシップの導入を支援し開催するなど、これまでにない視点で取り組むこととしております。  なお、若者の相談窓口の移転については、わかものハローワーク等の国機関との密接な連携の下、きめ細かい支援を実施していることも踏まえた検討が必要と考えており、富山労働局等の関係機関と連携しながら、まずは来所者へのアンケートを実施するなど、その必要性も含めて研究をしてまいります。 42 ◯議長(五十嵐 務君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 43 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、高校教育の改革に関する御質問にお答えいたします。  中学校においては、生徒に対し、成績だけではなく、高校卒業後の進路や自分の特技、特性、高校の特色を踏まえて進路選択するように指導をしております。  高校においても、入学段階から生徒が目的意識を持ち、3年間を見通した高校生活を送れるよう指導に努めております。  また、県立高校、私立高校それぞれが魅力ある学校づくりに取り組めるよう、公私立高等学校連絡会議において、公私比率を含め、本県の高校教育の発展、充実について議論をしております。  生徒が将来、自分らしく生きることができ、ウエルビーイングを実現できるようにするためには、高校教育において職業教育を充実させることが重要だと考えております。このため、令和元年度から普通系学科を対象とした富山の企業魅力体験バスツアーを実施し、県内企業への理解を深めますとともに、将来の就業についても考える機会としております。  さらに、今年度は、産業界の関係団体の御意見もお聞きしながら、高校3年間を見通して、企業との連携を深めた就業体験や進路講話などを体系的に行う職業教育プログラムのモデル案を作成しているところであり、来年度は、この実践を通して、全ての県立高校において職業教育を一層推進することとしております。  県教育委員会では、今年度、令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会を開催し、普通科、職業科の在り方や国際バカロレアの導入などについても委員から御意見をいただいております。  来年度は、生徒や保護者などを対象に、県立高校の在り方に関するアンケートを実施し、そのニーズも踏まえて、変化の激しい時代に対応し、生徒を引きつけることのできる魅力ある学校、学科の在り方や教育内容などについて、この検討委員会で意見を伺い、引き続き検討してまいります。  以上でございます。 44 ◯議長(五十嵐 務君)三牧知事政策局長。    〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕 45 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、まず、女性活躍についての御質問にお答えさせていただきます。  このたび策定いたしました富山県成長戦略では、若い女性の転出超過を重要な課題と捉えておりまして、成長戦略の柱である真の幸せ(ウエルビーイング)戦略におきましても、特に若い女性のウエルビーイング向上に取り組むこととしております。女性活躍推進に向けた取組は、その中核であると考えてございます。  そこで、今年度中に策定を予定しております富山県女性活躍推進戦略におきましては、女性のキャリアに対する志向や働き方に関するニーズへの対応、そして、核家族化による家事・育児負担の増加への対応という課題意識の下、県と県内企業ともに、女性が働きやすく、生活しやすく、活躍できる環境整備を進めるためのプロジェクトや、それらに対する県の支援策を示しているところでございます。  具体的には、令和4年度には、この女性活躍推進戦略に基づきまして、女性活躍がまずは企業の成長につながるという機運を醸成するためのフォーラムを開催するほか、女性活躍に取り組もうとする企業に対して専門のコンサルティングを派遣し、課題解決に向けた個別アドバイスを行います。  また、女性活躍や働き方改革を推進し、従業員のウエルビーイング向上に資する先駆的な取組に対して補助を行うとともに、事例を積極的にPRすることにより、ほかの企業への横展開を促すこととしております。  さらに、今年オープンいたします創業支援センターにおきましても、女性向けの起業支援メニューを増やしたいと考えておりまして、女性向けの起業相談やセミナーの開催、女性起業家のネットワーク形成、そして、札幌市等で行われている事例でございますが、コワーキングスペースにつきましても、子供連れでも利用しやすい工夫を検討していきたいと考えてございます。  議員から、こうした女性活躍推進については、個別に企業訪問してアドバイスに取り組んでいくことが非常に重要だと、そうした人材を育てていくことが重要だと御指摘を受けました。現状、こうした企業内の勤務環境の整備につきましては、社会保険労務士や中小企業診断士が行っておりますけれども、さらに多くの企業にこうした施策を幅広く届けるために、来年度につきましては経済団体や業界団体ともしっかり連携して、支援のネットワークを県全体に広めながら、取組を進めていきたいと考えてございます。  続きまして、データ基盤の構築等についての御質問にお答えさせていただきます。  デジタル化につきましては、県民の利便性の向上に加えて、新産業の創出や地域課題の解決等につながるものであり、県では成長戦略のアクションプランに各種施策を盛り込むとともに、DX・働き方改革推進基本方針に基づき、県庁挙げて取り組んでいるところでございます。  デジタルを活用したビジネスの推進でございますけれども、議員から御指摘いただいた人流データも含めまして、事業者が利活用しやすいように、県や市町村の垣根を越えたデータ基盤を整備していくことは非常に重要でありまして、市町村と密接に協議しながら、データ基盤の整備を進めたいと考えてございます。  また、利活用の面におきましても、市町村や民間企業、大学など、多様な主体としっかりと連携しながら、そのニーズを踏まえたデータ収集、データの編集等を行いまして、データ利活用を推進してまいります。  また、データ基盤の活用については行政が率先して取り組むと、そうしたことも取り組んでいきたいと考えてございます。  あわせまして、御指摘のとおり、デジタル化に向けた人材育成も不可欠であると考えておりまして、現場の課題をデジタル技術やデータを活用して解決できるよう、こちらも企業等のニーズをしっかりと踏まえながら取り組んでまいります。  今年度に引き続きまして、富山大学と連携して社会人向けのデータサイエンス講座を開講するほか、4月に開設いたします県立大学のDX教育研究センターにおいて、企業向けのDXセミナーの開催も予定しております。  また、県自身におきましても、企業等を対象に自社課題の分析を行い、課題解決に必要なデータ利活用等の講座や現場実習等の体系的な研修を実施することとしております。  今後とも成長戦略の実現に向けて、県民、事業者目線によるデジタル技術の活用を進め、あわせて、市町村や産業界、大学ともしっかり連携しながら、県民の利便性向上や地域課題の解決、ニュービジネスの創出につなげていきたいと考えてございます。  以上になります。 46 ◯議長(五十嵐 務君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 47 ◯農林水産部長(堀口 正君)まず、みどりの食料システム戦略推進のための多様なモデル構築についての御質問にお答えします。  県ではこれまで、経営タイプ別にメガファームや集落営農等のとやま型農業経営モデルを示し、支援しますとともに、スマート農業技術を活用した大規模な主穀作経営や高収益作物との複合経営、ICTを導入した園芸ハウス栽培、中山間地の特色を生かした農業などのモデル実証に取り組んできております。  また、環境に優しい農業を推進し、生産物や労働の安全基準をクリアするため、有機JASや国際水準GAPの認証取得への支援、指導人材の育成にも努めてきたところです。  一方、国では、みどりの食料システム戦略が策定されまして、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現することとしており、関連の事業費が令和3年度補正予算、4年度当初予算案に計上されております。  今議会に提案しております県予算案には、こうした国の事業も活用し、例えば、中小規模の経営体等を念頭に、半農半Xの取組を含め、生産、流通、消費が一体となった有機農業のモデル的な地域の取組を支援することとしております。  また、高収益作物である園芸生産では、新規就農者からスマート農機などの省力機械化体系による大規模な担い手まで、多様な経営モデルを構築し、その横展開を図ることとしており、みどりの食料システム戦略の具体化を進めていきたいと考えております。  現在策定を進めております県農業・農村振興計画において、具体的な経営モデルを示しながら、地域農業が多様な担い手により持続的に発展できるよう取り組んでまいります。  次に、国営農地再編整備事業「水橋地区」についての御質問にお答えします。  この地区では、水田約620ヘクタールの約9割を1ヘクタール以上の大区画圃場とし、大規模農業者等の担い手への農地の集積・集約化を進めますとともに、全圃場に暗渠排水を整備することで、収益性の高い園芸作物を組み合わせた複合経営により、農業経営体の所得向上や農村地域の活性化を図ることとしております。  このため、県では、同じ水橋地域の県営農地整備事業の実施地区において、令和2年度から国のスマート農業実証プロジェクトを活用し、大規模圃場における水稲とタマネギ、ニンジン等の園芸作物を組み合わせたモデル実証を行っており、省力機械化一貫体系の確立に取り組んでいます。  また、園芸の規模拡大には、収穫調製作業等の労働力確保が必要となることから、水橋地域でのキャベツ生産において、作業の受託や人材供給等の支援サービス導入の実証を進めているところです。今月中には農業者やJA、市、町、県等で構成いたします水橋地区営農推進協議会が設立される予定であり、これまでの実証結果等を参考としながら、経営形態ごとの営農計画の策定に向けた具体的な検討に、県としても積極的に関わっていくこととしております。  今後、新マーケットの獲得を含めた生産、流通、消費の一体的な体制の構築を支援しまして、全国のモデル地域となるよう取り組んでまいります。  私からは最後になりますが、関係人口等による農村地域の活性化についての御質問にお答えします。  農村地域では、草刈りや江ざらい等の水路の維持管理作業等の担い手が年々減少していることから、集落とサポーターとのマッチング支援を平成26年度から行っており、昨年度まで延べ約650名の方々に参加いただいております。今後の集落の活性化には、移住者を含めた関係人口をさらに増やすことが重要であると考えております。  議員御指摘の空き家の利活用につきましては、総合相談を行う空き家コーディネーターの設置に対する支援や、首都圏等の富山くらし・しごと支援センターでの空き家情報の提供などを行っているほか、新年度において、空き家の活用も含めた農泊のネットワーク組織の構築などに取り組むこととしております。  また、市街化調整区域といった一部制限のある区域においては、国の指針で、既存建築物を観光振興のための宿泊施設や集落維持のための移住賃貸住宅等に用途変更することが可能とされているほか、市町村が都市計画法上の地区計画を定めることにより、敷地の活用も含めた利便施設の建設も認められており、現在、県内では29地区で利活用されています。  農村地域は、地域住民のみならず、県民の豊かな暮らしと安全を支える幸せの基盤であり、引き続き関係部局が連携し、都市との交流人口や移住の増加、農村地域の活性化に取り組みまして、美しく魅力ある田園地域の維持に努めてまいります。 48 ◯議長(五十嵐 務君)助野地方創生局長。    〔地方創生局長助野吉昭君登壇〕 49 ◯地方創生局長(助野吉昭君)私からは、観光振興についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、日常生活の中にある本県の魅力を再発見し、それを発信して誘客につなげていくことは、本県の観光振興にとって効果的であり、そのため、市町村との連携や、県外等の若者や女性の視点を生かした取組を進めることが重要であると考えております。  市町村との連携につきましては、現在、県の観光公式サイト「とやま観光ナビ」におきまして、市町村から、体験特集やイベント情報など各地域の特色ある観光コンテンツに関する記事を積極的に提供いただいておりますが、引き続き、魅力的で特色ある地域の情報をより多く発信できるよう、市町村との連携を密にしていきたいと考えております。  また、県外等の若者や女性の視点を生かした取組につきましては、現在、とやま観光ナビにおきまして、県外のライターにも本県の自然、歴史、文化、人などの魅力を紹介する特集記事を書いていただいておりますが、新年度では、SNSを活用し、富山ファンや若者、女性の発信力を生かして、食や旅などの本県の魅力の発信強化を図っていくこととしております。  さらに、暮らすように旅をする新たなスタイルの観光サービスを創出するため、専門性、柔軟性、生活者の視点を持つ女性の力を生かし、暮らしを体験できる観光サービスの造成や、担い手育成、旅行商品の造成に取り組むこととしているところでございます。  現在策定を進めております新たな観光振興プランにおきましても、富山の日常の暮らしの魅力を最大限に活用していくこととしておりまして、市町村や県外の若者、女性の力も生かしながら、日常生活の中にある魅力を発信し、さらなる誘客につなげてまいります。  以上でございます。 50 ◯議長(五十嵐 務君)出来田生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長出来田 肇君登壇〕 51 ◯生活環境文化部長(出来田 肇君)私からは、安全な登山の環境づくりに関する御質問にお答えします。  県では、登山者が安心して登山を楽しめるよう、登山道や標識等を整備するほか、遭難防止や遭難発生時の捜索救助等に資するため、積雪期の剱岳周辺の登山者に登山届提出を義務づけるとともに、室堂ターミナルの入山安全相談窓口において、入山指導員による安全指導や情報提供を行っております。  また、平成30年度に開催した安全登山検討会の提言なども踏まえ、オンライン登山届の導入や、登山者の力量に合った山選びを促すための登山道の難易度を格付した山のグレーディングの作成を行ったほか、山岳診療所へのウェブカメラ配備により遠隔診療を支援するなど、安心して登山ができる環境の整備も図っているところであります。  さらに、遭難発生時は、その情報を遭難救助関係者等がいち早く把握することが重要であるため、県山岳遭難対策協議会では、携帯電話が使えないエリアでもデジタル技術を活用して登山者の位置情報が把握できないか、新年度に調査研究を行うこととしており、県としてもこれを支援したいと考えております。  近年の県内の山岳遭難の傾向としましては、中高年登山者や単独登山者の遭難が多い状況となっており、今後とも、入山指導員や県警察等と連携した登山指導や安全登山対策の普及啓発に努めるとともに、山岳遭難未然防止へのデジタル技術活用の可能性を探るなど、安心して登山ができる環境づくりや体制づくりに取り組んでまいります。  以上です。 52 ◯議長(五十嵐 務君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕
    53 ◯土木部長(江幡光博君)私から、利便性が高い立地環境の誘導についての御質問にお答えいたします。  社会インフラが整備され利便性が高い、いわゆる町なかに居住を促すことは、市街地の人口減少が見込まれる中、地域コミュニティーの維持、活性化の観点からも有効な方策の一つと考えております。  市町村におきましては、人口の急減、超高齢化の進行に対応して、行政サービス等を市街地中心部に多機能集約し、生活の利便性を高めながら経済活動の活性化を図るため、居住誘導区域や都市機能誘導区域を定める立地適正化計画の作成を推進しておりまして、県内では富山市、高岡市など6市1町が計画を作成、公表済みであり、町なか居住等に向けた取組が進められております。  具体的には、市町村において、空き家・空き地情報バンクなど、ホームページによる情報発信を行っているほか、町なか等において隣接する空き地の売買や住宅の新築・取得等への支援等を行っております。  県においても、町なか居住を促す市街地再開発事業等への支援を行うとともに、新年度は新たに町なかの商店街等の活性化につながる創意工夫を凝らした試行的な取組を行う個人や団体への支援やセミナー等を通じた周知啓発、また、多拠点居住用住宅やコワーキング施設など、新しい住まい方、働き方に対応した空き家改修への支援のほか、民間団体が行う空き家活用事例の情報発信等にも支援することとしております。  県としましては、市町村や民間団体等との緊密な連携の下、こうした取組を通じて、利便性が高い立地環境が生かされるよう努めてまいります。  以上でございます。 54 ◯議長(五十嵐 務君)中川忠昭君。    〔31番中川忠昭君登壇〕 55 ◯31番(中川忠昭君)私は、いろいろと質問させていただいた中で、荻布教育長にちょっと再質問したいんですが、私が質問したことに対して、全く問題意識のない答弁だったと理解しています。私は、教育長がおっしゃったことに対して非常に問題意識を持っているから質問したわけであります。今、現状がこうであると、だから何もしないんだといったような答弁しかありませんでした。  例えば、公私比率についても、40年来ほとんど変わってないんです。その内容は何かというと、中学生に対して、あなたは県立に行きたいのか、私学に行きたいのかといったようなレベルの内容なんです。それから、数字だけで、選考ありきで、私学がこんな特徴のある学校を進めたいとか、例えば英語だとかあるいはクリエーティブな学科だとか、そういう私学のよさを発言する機会がほとんどない、そういう協議なんです。  今、教育長は、そのようなことも会議の中で意見として出ているというふうに言われていますが、これはまさしく非公開になっていましたので、何も分からないんです。ですから、そういう数字だけが先行したようなやり方で公私間比率を決めていること自身が、私は間違いだと言っているんです。やはり、私学なら私学のよさを、任せるのであればそこに任せて、結果として私立と県立がこういう率になったというのであれば、お互いに納得がいくと思うんです。  特に、国際交流が激しい中で、英語教育などは私学のほうがよっぽど進んでいます。IT教育も進んでいます。そんなことをしっかり受け止めて、問題意識を持っていただきたいということなんです。  それから、職業教育についてもまさしくそのとおりでありまして、皆さん方も県立の工業高校とか商業高校の現場を見に行ったことがあると思いますが、その中では何十年も前の教育機材を使っていて、そこで子供たちに職業意識を持てと言ったって、行った瞬間に、こんなものであれば行きたくないなと、学びたくないなという教育環境なんです。  今一番求められるのは、まず興味を持って、自分たちが自分の力で学びたいという思いの教育を提供するということが大事なんです。そのことを私は言っているわけなので、そういうことが、自己実現なり、自分が学びたいことを自分の責任でもってどんどん学びを広げていくと。これがまさしく教育家として人を導いていく、そういう考えだと思うんです。そういうことを全く問題意識せず、こういうことをやっているから関係ないんだというような答弁に聞こえたわけであります。  10代の多感な子供たちの中には、その門をくぐって、つまらない教育だったらやっぱり東京へ行きたいと、学びたくないと、だから二度と帰ってきたくないという子供もおるんです。地方ではいろんなことを言っています。ほかの地方も全部一緒だと思いますが、それを打ち破っていかなければ富山県の未来をつないでいく子供たちが育っていかないと、そういうことを問題として意識してほしいということで答えてほしかったんですが、今やっていることがいいんだというような答弁にしか聞こえませんでした。  私は、子供たちが少ない中で学びの教育をできる、そして授業も面白いからそこでどんどん深掘りしていくんだという高校でなかったら、やはり富山県から子供たちが出ていってもう戻らない、そういう雰囲気になるんじゃないかと思います。  そういうことを含めてどのようにやっていくのか改めてお聞きしまして、再質問を終わります。 56 ◯議長(五十嵐 務君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 57 ◯教育長(荻布佳子君)中川議員の再質問にお答えいたします。  現在、県立高校のあり方検討委員会などにおいて、今後の県立高校の在り方について、まさに検討を今進めている、進めようとしているところであります。  議員おっしゃいますように、教育というのは、特に多感な時期の生徒さんに対する高校というのは、まさに富山県の未来、そこに生きていかれる県民のウエルビーイングを支える、つくり出していくという意味での本当に重要な営みであるというふうに理解をしております。  そこにおいて、これまで公立高校、私立高校、それぞれに役割を果たしてきたと思っておりますし、今後も、私立においては建学の精神を生かした特色ある教育、また、県立高校においては広く公教育を担っていく、その公教育といっても普通教育、今後学問を志していく生徒さんもいれば、地域を担っていく、産業を担っていくという道もある、いろんな道を自分の意思で、広く学んで選び取っていける、そういったことを提供するのが高校教育だというふうに思っており、まさにそういった問題意識を持って検討しているところであります。  職業教育においても、環境の古さといった御指摘もありましたが、昨年来の補正予算なども活用いたしまして、最新の機器の整備なども進めているところでありますし、また、普通科教育においても、従来の進学のみを目指した勉強というだけではなくて、職業教育ですとか、また地域課題について考える学習といったものも今、進めてきているところです。  これまでのそういった取組も検証した上で、また、今後学んでいかれる世代のお子さん、また、保護者の皆さん、また、産業界の皆さんの御意見などもしっかりとお聞きした上で、今後の高校教育についてしっかり検討していきたいと、そういう問題意識を持って取り組んでいきたいと思っております。  以上でございます。 58 ◯議長(五十嵐 務君)以上で中川忠昭君の質問は終了しました。  以上をもって、会派代表による質問、質疑を終了いたします。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━           常任委員会への審査付託 59 ◯議長(五十嵐 務君)次にお諮りいたします。  ただいま議題となっております諸案件のうち、議案第62号については、急を要するので質疑を終了し、直ちにお手元にお配りした議案付託表のとおり各常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 60 ◯議長(五十嵐 務君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 61 ◯議長(五十嵐 務君)各常任委員会における審査のため、暫時休憩いたします。  午後2時40分休憩       ───────────────────  午後3時05分開議       ─────────────────── 62 ◯議長(五十嵐 務君)休憩前に引き続き会議を開きます。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         議  案  第  6 2  号 63 ◯議長(五十嵐 務君)お諮りいたします。  議案第62号を日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 64 ◯議長(五十嵐 務君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━           常任委員会の審査報告 65 ◯議長(五十嵐 務君)これより議案第62号を議題といたします。  本案に関し、常任委員長の審査結果の報告を求めます。  教育警務委員長酒井立志君。    〔教育警務委員長酒井立志君登壇〕 66 ◯教育警務委員長(酒井立志君)本日、教育警務委員会に付託されました案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第62号令和3年度富山県一般会計補正予算(第14号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中歳出中本委員会所管に係る歳出予算総額3億1,958万5,000円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分であります。  本委員会におきまして、この案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、教育警務委員長報告といたします。 67 ◯議長(五十嵐 務君)厚生環境委員長岡崎信也君。    〔厚生環境委員長岡崎信也君登壇〕 68 ◯厚生環境委員長(岡崎信也君)本日、厚生環境委員会に付託されました案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第62号令和3年度富山県一般会計補正予算(第14号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中歳出中本委員会所管に係る歳出予算総額8,219万円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分であります。  本委員会におきまして、この案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、厚生環境委員長報告といたします。 69 ◯議長(五十嵐 務君)地方創生産業委員長川島 国君。    〔地方創生産業委員長川島 国君登壇〕 70 ◯地方創生産業委員長(川島 国君)本日、地方創生産業委員会に付託されました案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第62号令和3年度富山県一般会計補正予算(第14号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中歳出中本委員会所管に係る歳出予算総額13億円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分であります。  本委員会におきまして、この案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、地方創生産業委員長報告といたします。 71 ◯議長(五十嵐 務君)県土整備農林水産委員長薮田栄治君。    〔県土整備農林水産委員長薮田栄治君登壇〕 72 ◯県土整備農林水産委員長(薮田栄治君)本日、県土整備農林水産委員会に付託されました案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第62号令和3年度富山県一般会計補正予算(第14号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中歳出中本委員会所管に係る歳出予算総額17億9,152万9,000円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分であります。  本委員会におきまして、この案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、県土整備農林水産委員長報告といたします。 73 ◯議長(五十嵐 務君)経営企画委員長平木柳太郎君。    〔経営企画委員長平木柳太郎君登壇〕 74 ◯経営企画委員長(平木柳太郎君)本日、経営企画委員会に付託されました案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第62号令和3年度富山県一般会計補正予算(第14号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中歳入全部、歳出中本委員会所管に係る歳出予算総額147億4,000万円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分、第3条地方債の補正全部であります。  本委員会におきまして、この案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、経営企画委員長報告といたします。 75 ◯議長(五十嵐 務君)以上をもって常任委員長の審査結果の報告を終わります。       ─────────────────── 76 ◯議長(五十嵐 務君)これより委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、質疑なしと認めます。  次に、これより討論に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、討論なしと認めます。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━          採           決 77 ◯議長(五十嵐 務君)これより議案第62号を採決いたします。  本案に対する各委員長の報告は可決であります。  本案は各委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 78 ◯議長(五十嵐 務君)起立全員であります。よって、本案は各委員長の報告のとおり可決されました。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━           仮 議 長 の 選 任 79 ◯議長(五十嵐 務君)次にお諮りいたします。  地方自治法に基づく仮議長の選任を議長に委任する件を日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 80 ◯議長(五十嵐 務君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  これより地方自治法に基づく仮議長の選任を議長に委任する件を議題といたします。
     お諮りいたします。  ただいま議題となっております、地方自治法に基づく仮議長の選任を議長に委任する件については、新型コロナウイルス感染症危機管理対策のため、地方自治法第106条の規定に基づき、議長に委任されたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 81 ◯議長(五十嵐 務君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━          報           告 82 ◯議長(五十嵐 務君)次に、予算特別委員会の構成について御報告いたします。  委員長筱岡貞郎君、副委員長瘧師富士夫君、理事庄司昌弘君、岡崎信也君、酒井立志君及び渡辺守人君、委員津本二三男君、瀬川侑希君、安達孝彦君、藤井大輔君、種部恭子君、川上浩君、川島国君、井加田まり君、永森直人君、火爪弘子君、山本徹君、横山栄君、杉本正君及び鹿熊正一君、以上のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 83 ◯議長(五十嵐 務君)次にお諮りいたします。  議案調査のため、明3月2日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 84 ◯議長(五十嵐 務君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は3月3日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後3時15分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...